半導体やカーボンニュートラルに自動化、2022年の人気記事から読み取る製造業の課題とは:FA 年間ランキング2022(2/2 ページ)
2022年に公開したFAフォーラムの全記事を対象とした「人気記事ランキング TOP10」(集計期間:2022年1月1日〜12月22日)をご紹介します。
産業用ネットワークや自動化、ロボット関連の記事もランクイン
第4位は『パナソニックが24時間365日止まらない工場「オートノマスファクトリー」実現へ』です。「Autonomous Factory(オートノマスファクトリー)」はパナソニック コネクトが掲げるスマートファクトリーのコンセプトです。この実現に向けた表面実装機関連の新製品やソフトウェアを紹介した記事となります。
第5位には『TSNを構成する「時刻同期」と「時分割」とは』、第7位にも「TSNがなぜ産業用ネットワークで注目されているのか」となり、連載「いまさら聞けないTSN」の記事が入りました。前者は産業用ネットワーク製品の製造、販売を行うMOXA Japanの塙祐史氏、後者は同社の長澤宣和氏による寄稿でした。「TSN(Time-Sensitive Networking)」とは時刻を厳密に取り扱う一連のネットワーク規格の総称で、製造現場のIoT(モノのインターネット)化が進むにつれて重要性が高まっています。
第6位の「半導体強国復活に向けて日本は何をすべきか、日米連携でポスト3nmプロセス誘致へ」はSEMICON Japan 2021(2021年12月15〜17日、東京ビッグサイト)における自由民主党の衆議院議員 甘利明氏の講演「半導体強国復活に向けて」のレポートです。半導体戦略推進議員連盟の会長を務める甘利氏は、日本政府が進める半導体関連政策のキーマンの1人であり、TSMCの進出について「約10年前の“枯れた”技術であり、その技術を国内に持ってきて作るだけでは日本として投資する意味はない」とし、「どのように半導体の進化につなげていくかが重要になる」と今後の構想を講演では語っています。
第8位は『“産業界のオスカー”「ロボット開発を1年短縮する」一体型アクチュエーターが受賞』です。「HANNOVER MESSE 2022(2022年5月30〜6月2日)において、産業用技術の賞「HERMES AWARD 2022」を受賞したSumitomo Cyclo Drive Germanyの産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」に関する現地発の記事です。ハノーバーメッセでは、同賞を「産業界のオスカー」と呼んでいるそうです。
第9位は「オムロン ロボット事業の現在地、ロボットとラインの統合制御は実践で価値証明へ」です。オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット推進プロジェクト本部長(肩書は掲載当時)の寺山昇志氏に、2015年の米国Adept Technology買収から本格的に始まったオムロンのロボット事業について話を聞いています。
第10位は「協働ロボットの不満を埋める、デンソーウェーブが高速で“簡単に使える”新製品」となりました。デンソーが2022年に発売した協働ロボット「COBOTTA PRO」シリーズは、従来機より高速動作を実現していました。柵なく人と同じ空間で働ける協働ロボットは、各分野の新たな自動化ツールとして関心が高まっていますが、柵を設けずに動作させるために速度には一定の制限が生まれます。COBOTTA PROはその課題に向き合った製品です。
いかがでしたでしょうか。個人的には、2023年は金属3Dプリンタや工作機械の工程集約、自動化などのテーマも追っていきたいと思います。ともあれ、2023年が1人でも多くの方にとって良い年となることを願っています。
MONOist FA
人気記事ランキング TOP10
2022年1月1日〜12月25日、PCV
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TSMCはなぜ台湾外初となる3DICのR&D拠点をつくばに設立したのか
台湾の半導体受託製造大手であるTSMCは2022年6月24日、茨城県つくば市の産業技術総合研究所つくばセンター内に設置した「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」の開所式を行った。同センターでは半導体微細化の限界が予想される中、後工程の3次元パッケージ技術の量産を可能とするための技術開発を日本の材料メーカーや装置メーカー、研究機関との共同研究で実施する。 - デンソーが進めるモノづくりのカーボンニュートラル化(前編)
デンソーは2022年4月22日、2035年に「完全なカーボンニュートラル化」を目指す中で現在取り組んでいるモノづくりの省エネ化についての報道向け説明会を開催。工場のカーボンニュートラル化に向けた推進体制や具体的な取り組みについて紹介した。本稿では前編として取り組みの全体像、後編では2021年度省エネ大賞を受賞した幸田製作所での取組を紹介する。 - デンソーが進めるモノづくりのカーボンニュートラル化(後編)
デンソーは2022年4月22日、2035年に「完全なカーボンニュートラル化」を目指す中で現在取り組んでいるモノづくりの省エネ化についての報道向け説明会を開催。工場のカーボンニュートラル化に向けた推進体制や具体的な取り組みについて紹介した。本稿では前編として取り組みの全体像、後編では2021年度省エネ大賞を受賞した幸田製作所での取り組みを紹介する。 - DMG森精機が描く工程集約と自動化、JIMTOF2022ブースで見せたAMR活用
DMG森精機は「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、5軸加工機や複合加工機を中心とした工程集約を提案した。 - JIMTOF2022の最大ブースでマザックが示す、近未来の工場運営の在り方とは
ヤマザキマザックは第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、出展社として最大ブースを構えて横型マシニングセンタ「HCN-5000 NEO」など多くの新機種、ソリューションをアピールした。 - “今再びの現場革命を”マザックが提案する製造現場のデジタル活用
ヤマザキマザックは2022年12月7〜9日まで、美濃加茂製作所 第一工場 ワールドテクノロジーセンタ(岐阜県美濃加茂市)などでJIMTOF2022アンコールフェア(以下、アンコールフェア)を開催し、最新のソリューションや新機種7台を含む計28台の工作機械を展示した。期間中は事前登録した約1700人が来場した。