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“産業界のオスカー”「ロボット開発を1年短縮する」一体型アクチュエーターが受賞ハノーバーメッセ2022

世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30〜6月2日)において、Sumitomo Cyclo Drive Germanyの産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」が、産業用技術の賞「HERMES AWARD 2022」を受賞した。

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 世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30〜6月2日)において、Sumitomo Cyclo Drive Germanyの産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」が、産業用技術の賞「HERMES AWARD 2022」を受賞した。

 ハノーバーメッセが開催する「HERMES AWARD(ヘルメスアワード)」は、毎年ハノーバーメッセの開会式で発表される技術賞だ。ハノーバーメッセは、同賞を「産業界のオスカーだ」と表現している。対象となるのは同見本市に出展する全企業/機関で、特に高度な技術革新を示す優れた製品および革新的なソリューションが選出される。


ブースで展示していた産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」[クリックで拡大]

 今回受賞したTUAKAは、高精度減速機やサーボモーター、安全機能搭載のドライバーなど「ロボットの軸を作るのに必要な全ての要素を統合した」(説明員)アクチュエータだ。バックラッシュのない減速機を用いたことで小型軽量かつ高出力な性能を実現した他、通信回線と電源の接続のみでよいというシンプルさも特長だ。

 さらに、エンコーダーやトルクセンサー、拡張安全機能といったオプションも備えたモジュール構成によって、さまざまなタイプのロボットアプリケーションに柔軟に組み込むことが可能。同社は、「ロボットアプリケーションの市場投入を加速するため、簡単でコスト効率の高いシステムインテグレーションに重点を置いて開発を進めてきた。ユーザーは簡単な制御から非常に複雑な協働ロボット開発まで、『プラグアンドプレイ』で実現できる」としている。


TUAKAを搭載したロボットのデモ。通信回線および電源の接続だけでインストール可能だ[クリックで拡大]

 ヘルメスアワードの受賞者を発表したドイツ連邦教育研究大臣のBettina Stark-Watzinger(ベッティーナ・スターク・ワッツィンゲル)氏は、「この技術によって、今後協働ロボットの開発を最大1年短縮することができる。これは競争においても貴重な資源であると同時に、より大きな持続可能性を求める戦いにおいても極めて重要なものだ」と評していた。

 TUAKAは減速機とモーターを統合した「TUAKA Active」、減速機とモーター、エンコーダーを統合した「TUAKA Servo」、減速機とモーター、ドライバーおよび拡張安全機能を統合した「TUAKA Drive」の3つの基本バージョンがある。ここに、追加オプションとして統合ディスクブレーキやトルクセンサーなども用意している。アクチュエーターの外径は74〜95mmで、変速比は50、80、100の3種類だ。

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