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“ニコンのロボット”を外販へ、アクチュエーターやカメラで独自技術を採用2022国際ロボット展

ニコンは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」(東京ビッグサイト、2022年3月9〜12日)に出展し、独自のダブルエンコーダー構造を採用したインテリジェントアクチュエーターユニットと、認識用のスマートカメラ、治具としてピンセットを用いるハンドなどを組み合わせた独自のロボットシステムを紹介した。既にニコン内の工場では実用化しており、今後システム販売およびデバイスとしての販売の両面で検討を進めていくとしている。

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 ニコンは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」(東京ビッグサイト、2022年3月9〜12日)に出展し、独自のダブルエンコーダー構造を採用したインテリジェントアクチュエーターユニットと、認識用のスマートカメラ、治具としてピンセットを用いるハンドなどを組み合わせた独自のロボットシステムを紹介した。既にニコン内の工場では実用化しており、今後システム販売およびデバイスとしての販売の両面で検討を進めていくとしている。

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「PROGRESS ONE」のピッキング用双腕ロボット[クリックで拡大]

独自のアクチュエーターやカメラ技術などを活用

 ニコンでは、以前から同社がカメラや半導体製造装置などの自社製品で使う精密なアクチュエーター技術を抱えていたが、この技術力がロボットに応用できるのではないかと考え、協働ロボットを中心にロボット向けアクチュエーターとして提案を開始。iREX2019などにも出展を行っていた。

 今回はさらにこれらの取り組みを広げた。アクチュエーターでは「ダブルエンコーダー構造」を採用したインテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」を紹介。モーター、減速機、駆動回路、ブレーキ、エンコーダーなどロボット関節に必要なパーツをパッケージ化しており、さらに2つのエンコーダーを組み込んだ「ダブルエンコーダー構造」により、高精度化とともに外力を感知してロボットを安全に停止させることや、人がロボットを直接動かして動作を記憶させるダイレクトティーチングなどの機能を容易に実現可能としている。

 さらに、スマートカメラを参考出品した。小型の3Dカメラで大きさは20×20×40mm、重さは25gでロボットハンドに負荷なく装着可能だ。加えて映像の一次処理を行うプロセッサ部分の小型化も実現しており、アーム部分の空きスペースに簡単に搭載できる。簡単な映像処理機能はプロセッサ内に用意しており、部品の認識や把持部の指定などが行える。

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カメラによる映像認識の様子[クリックで拡大]

 ハンド部も独自開発し参考出品した。ハンドでは精密部品を扱うことを想定し、ピンセットを扱うピンセットハンドを出展している。小型や薄型の精密部品の把持を行うには、ハンドの精度も要求され、製作のコストが大きくなるが、市販のピンセットを使い、そのピンセットを扱う役割をハンドが果たす形にすることで、コストを抑えた形で精密部品のピック&プレースを行えるようにした。デモでは、プラスチックレンズ、ゴムリング、薄さ0.1mmのシムリング、超小型のチップ抵抗などをピンセットでつかみ並べ替えるデモを行っている。

ニコンのロボットのデモの様子。精密部品をピックアップする様子を示した[クリックで動画再生]

 ニコンでは既にこれらのロボットシステムを自社の工場で使用している。「デジタル一眼の製造工程で既に使っている。仙台ニコンで実証しタイ工場で使用し自動化で成果を生んでいる実績がある」(担当者)。今後は、展示会での反応やシステムインテグレーターとのパートナーシップなどを進め、これらのロボットシステムで使用している独自デバイスの販売と、ロボットシステム全体での販売の両面で検討を進めるとしている。

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