トヨタは2022年度通期の生産台数は50万台減、資材高騰の影響は1兆6500億円に:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
トヨタ自動車は2022年11月1日、2022年4〜9月期(2023年3月期第2四半期)決算を発表した。
2022年度通期の見通しは
2022年度通期は、トヨタ・レクサスの生産台数が前回の予想から50万台減の920万台と計画している。半導体の調達リスクなど見通しが困難な状況が依然として続いていることから計画を引き下げたが、「920万台」は2015年度までさかのぼっても高い水準となる。
50万台減のうち、国内生産が22万台減の278万台、海外生産が28万台減の642万台となるが、海外生産は直近の2019年度以降では高水準となる。また、国内生産300万台を維持する方針は中長期的にも変わりはなく、日本の競争力や現場力を活用してモビリティの価値に結び付けていきたい考えだ。連結販売台数は前回見通しから5万台減の880万台、トヨタ・レクサス販売台数は同50万台減の940万台を見込む。
2022年度通期の業績見通しは、営業収益が前年度比14.7%増の36兆円、営業利益が同19.9%減の2兆4000億円、当期利益が同17.2%減の2兆3600億円を計画している。営業収益は、前回の見通しから1兆5000億円増の上方修正となる。
前年度と比べた営業利益の増減要因のうち、為替変動の影響で1兆850億円のプラスとなるが、資材高騰で1兆650億円、諸経費増加で4450億円といったマイナス要因が発生する。原価改善で2100億円、営業面の努力で6300億円のプラス要因を生み出すが、為替・スワップの影響を除いた営業利益は前年度から1兆2550億円減となる。
営業利益は前回の見通しを据え置いたが、内訳は為替・スワップの影響を除くと前回予想から1300億円減となる。調達の制約による販売台数の減少や、収益性の高いモデルの台数が伸び悩むなど販売構成の悪化が前回予想と比べて1850億円のマイナス要因となるが、原価改善を600億円積み増す。
2022年度下半期における営業利益の増減要因を見ると、為替変動で前年同期から5200億円のプラス、資材高騰で8850億円のマイナス、営業面の改善で5000億円のプラス、諸経費で1350億円のマイナスとなる。原価改善は2021年度の下半期と比べて950億円のプラスとなる。
通期の想定為替レートは、1米ドル=135円(前回予想から5円円安)、1ユーロ137円(同3円円高)となる。2022年7〜9月の平均為替レートを基に10月以降では1米ドル=135円、1ユーロ=135円とした。
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