パナソニックが高濃度CeF成形材料活用でアパレルと異業種コラボ、新店舗で訴求:サステナブル設計(2/2 ページ)
パナソニックは、三陽商会が国内展開する欧州発のサステナブルファッションブランド「ECOALF」と共同で、植物由来の高濃度セルロースファイバー(CeF)成形材料「kinari」を活用した副資材の開発や、回収した廃棄物からの再生プロジェクトなどに取り組んでいる。「渋谷スクランブルスクエア」にオープンしたECOALFの新店舗では、kinariを活用した製品などを実際に購入できる。
パナソニックにおけるエコマテリアル開発の歩み
高濃度CeF成形材料に関する技術開発を手掛けるパナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部では、2015年からサーキュラーエコノミー(循環型経済)に対応するエコマテリアル開発の取り組みを推進。2019年7月には、業界に先駆けて、CeFを55%以上樹脂に混ぜ込む複合加工技術と、乳白色の成形材料の生成を可能にする混練技術の開発に成功している。
さらに、2021年2月には、CeFを70%の高濃度で樹脂と複合化する技術を確立し、新たな金型構造や成形プロセスの最適化と組み合わせることで、薄肉成形加工や着色剤なしでの木質感の再現など、CeFを活用した材料開発を加速させている。また、2022年3月には、バイオマス度(材料に含まれる植物/生物由来の原料の割合)90%以上のCeF成形材料の開発についても発表し、材料全体におけるバイオマス度向上にも取り組んでいる。
そして、こうした成果とともに、材料供給体制にめどが付いたことから、パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)が「kinari」と名付け、2022年1月からサンプル販売を開始。以降、三陽商会との取り組みを含め、給食食器やディスペンサーなどの開発、製品化にkinariが採用されている。
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