福知山市とパナソニックが高濃度CeF成形材料を用いた給食食器の開発で共創:材料技術
福知山市とパナソニックグループは、福知山市立小中学校(23校)の学校給食食器の開発を通じ、SDGsの取り組み推進と資源循環型社会の構築を目指すことで合意し、連携協定を締結した。パナソニックグループが開発した植物由来のCeFを高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari」を用いる。kinariに使用する繊維材料は、福知山市内の森林の間伐材を原材料とする。
京都府福知山市とパナソニック ホールディングス マニュファクチャリングイノベーション本部、パナソニック プロダクションエンジニアリング(以下、パナソニックグループ)は2022年6月6日、福知山市立小中学校(23校)の学校給食食器の開発を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組み推進と資源循環型社会の構築を目指すことで合意し、連携協定を締結したことを発表した。
パナソニックグループが開発した、植物由来のセルロースファイバー(CeF:Cellulose Fiber)を55%の高濃度で樹脂(ポリプロピレン)に混ぜ込んだ成形材料「kinari」を用い、両者共同で独自の環境配慮型食器の製品化を進め、環境負荷低減につなげる考えだ。
さらに、小中学校の実フィールドにおける環境配慮型食器の使用実証を通じ、安心安全で使いやすい食器の実現に向けた改良を進め、実導入を目指すとしている。
kinariに用いる繊維材料は、福知山市内の森林の間伐材を原材料に使用し、福知山市の小中学生の環境問題への理解、地域資源の魅力再発見、シビックプライド(Civic Pride:自分の住む街に対する誇り、愛着、共感をもって、街のために市民自らが関わっていこうとする気持ち)の醸成を図る。
また、将来的には、学校給食にとどまらず他分野への展開も両者共同で取り組み、地域の課題解決の促進と持続的な社会の発展を目指していくという。
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