ニュース
電動3爪ハンドにオートグリップ機能追加、無償で貸し出し開始:FAニュース
シナノケンシは、現行の電動3爪ロボットハンド全機種のファームウェアを変更し、オートグリップ機能を追加した製品の貸し出しを無償で開始した。製品への適用は、2023年2月までに実施予定だ。
シナノケンシは2022年6月20日、現行の電動3爪ロボットハンド全機種のファームウェアを変更し、オートグリップ機能を追加した製品の貸し出しを無償で開始した。製品への適用は、2023年2月までに実施予定だ。
新機能のオートグリップは、硬軟、大小、形状の異なる複数のワークを1つの爪と1つの動作指令でつぶさずにつかめる。ワークにロボットハンドの爪が接触した際に検知した結果を基に、ワークにかける力を最適化。これまで動作指令の設定は、硬さや大きさ、形状が違う把持対象ワークごとに必要だったが、その手間を省ける。
事前の調整を必要とせず、ワークの識別にカメラやセンサーも不要だ。ロボットハンドが自律的に把持力を調整してワークをつかむため、工数や経費を削減できる。ロボット導入検討時の課題となるロボット制御の難しさを解消し、トータルでの投資費用を抑える。
物流業界の仕分けやセット組み、製造業界の組み立て、検査など、複数のワークが混在する工程全般での利用を見込む。複数種のワークに合わせるため、それぞれ別の協働ロボットで作業していた場合や、対象ワークをカメラで判別してつかむ力を変えていた場合など、画像認識カメラや触覚センサーを使わず、1台の協働ロボットだけで作業できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボットの“腕”と“足”を強化、ASPINAがロボット向け薄型モーターを発売
ASPINA(シナノケンシ)は2021年11月9日、ロボティクス領域での製品展開拡充に向け、ロボット向けの薄型モーター2種類を開発し、同年11月中旬から販売受付を開始すると発表した。 - シナノケンシがロボットハンド市場に参入、まずは協働ロボット向けでURと協業
ASPINA(シナノケンシ)は2019年11月19日、産業用ロボットハンド市場に本格参入することを発表した。まずは、協働ロボット大手のデンマークUniversal Robot(ユニバーサルロボット、以下UR)と協業し、同社の周辺機器プラットフォーム「Universal Robot +(UR+)」を通じて、ロボットハンドの提供を開始する。日本企業の中ではロボットのグリッパで「UR+」認証を受けたのは初だという。 - 協働ロボットハンドにエアーアタッチメントなどのオプション追加、用途を拡充
ASPINA(シナノケンシ)は2021年7月1日、2019年に参入しラインアップ拡充を進めているロボットハンドにおいて、エアーアタッチメントや固定爪、平行リンク爪、幅広爪などの交換オプションを新たに投入することを発表した。 - 50N対応の協働ロボット用電動3爪ハンド、500gのペットボトルもつかんで持てる
ASPINA(シナノケンシ)は2021年1月7日、把持力を既存モデルの約10倍に強めた50Nモデルの電動3爪ロボットハンド「ARH350A」を発表した。金属加工や精密部品組立、食品・化粧品・医薬品や物流分野などで、協働ロボットとの組み合わせでの提案を進める。 - 柔らかく小さな物でも柔軟につかめる電動3爪ロボットハンド
シナノケンシは、異型物を柔軟につかめる「電動3爪ロボットハンド」を開発した。製造現場の非定型物や柔らかい物、小さい物を扱う手作業の工程において、自動化移行への提案を進めていく。 - コンパクトで小回りが利く、製造現場に簡単に導入できる自動搬送ロボット
シナノケンシは、製造現場に簡単に導入できる、自動搬送ロボット「AspinaAMR」を発表した。コンパクトな本体で小回りが利くため、狭い通路でもスムーズに移動でき、製造現場の自動化や省人化を支援する。