検索
連載

ライフサイクル全体でのCO2排出削減、軽EVは軽のエンジン車をしのいだ!?自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

土曜日ですね。今週もおつかれさまでした。昨日(5月20日)、日産自動車と三菱自動車が共同開発した軽自動車の新型EV(電気自動車)を発表しましたね。車名は日産自動車の軽EVが「サクラ」、三菱自動車が「eKクロスEV」です。両社のトップは出来栄えに自信満々です。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

 軽自動車とEVという話題の中では、「軽自動車は小さくて軽いため、エンジン車であっても燃費が良く、効率的な乗り物である」という意見も上がります。三菱自動車の加藤氏は、その考え方が正しいとしつつも、「エンジン車である以上は、走行中に燃料を使い、CO2を排出する。EVであれば走行中のCO2は排出しない。既に、日本の電源構成であってもライフサイクル全体でエンジン車の軽よりもEVの軽の方がCO2排出量が少ないところまで来ている」と語りました。

 EV、中でもバッテリーは製造時のCO2排出量が大きく、ライフサイクル全体でみるとエンジン車よりもCO2排出量の少なさで優れているとは言えないケースがあります。あくまで「三菱自動車が実施したライフサイクルアセスメントの結果では」という但し書き付きであり、他社の軽自動車と単純に比べられるわけではありませんが、社内で条件をそろえてエンジン車とEVを比較してEVの方が環境にやさしいことを示せるのは一定の進歩だと思いました。

取水施設の早期復旧を

 今週は、愛知県中部に工業用水や農業用水を供給する取水施設「明治用水頭首工」の漏水も話題になりましたね。取水施設のある矢作川の川底に何らかの原因で穴が空き、工業用水や農業用水を取水口から供給する前に下流に流れ出てしまう、という事態になりました。

 初期の報道で驚いたのは、「トヨタ自動車は井戸水で必要な水をまかなう」という一言でした。水の確保もBCP(事業継続計画、Business Continuity Plan)であり、工業用水が確保できる規模の井戸を持つ企業はトヨタ自動車だけではないというのも報道で知りました。

 「本格復旧には秋までかかる」という報道も耳にしました。トヨタ自動車をはじめとする自動車関連企業への影響は各メディアで報じられている通りですが、農家や火力発電所、ごみ処理場などさまざまな場所にも影響が広がると指摘した記事も見かけます。取水施設の老朽化が原因だとされていますので、似たようなトラブルが他の施設でも起きなければよいのですが……。

 自動車産業は本当に受難続きです。非常事態を想定して、事前に対策や体制を整備するのも限界があるのではないかとさえ感じてしまいます。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る