空飛ぶクルマの定着は「2030年代前半」、個人所有のニーズも?:モビリティサービス
矢野経済研究所は2022年5月19日、“空飛ぶクルマ”の市場調査結果を発表した。2050年に市場規模がグローバルで120兆円以上に成長すると見込む。
矢野経済研究所は2022年5月19日、“空飛ぶクルマ”の市場調査結果を発表した。2050年に市場規模がグローバルで120兆円以上に成長すると見込む。
空飛ぶクルマの市場は、Uberが空の移動の事業構想を発表したことなどをきっかけに期待が高まり、事業化ステージが見えつつあるという。小型航空機の認知度が高く、実証実験のサイクルが速いことから欧州や北米、中国が先行しており、2025年以降さまざまな事業がスタートする見通しだ。2025年時点でのグローバルでの市場規模は146億2500万円だと見込む。これにより、急速な機体の導入やインフラ整備も進んでいくとしている。
日本では、大阪府で2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)が事業化のきっかけになるとしている。経済産業省と国土交通省が「空の移動革命に向けた官民協議会」を設置している他、大阪府も「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を通じて周辺地域の整備や、関連事業者が参加した意見交換や検討会を進めている。ユースケースを踏まえた運航プランの検討、課題や論点の整理、具体的な行動計画は、2022年3月に「大阪版ロードマップ」として発表されている。
空飛ぶクルマは、移動だけでなく観光や競技用などさまざまな業界を巻き込みながら付加価値を生み出す可能性があり、関連する産業や業界が同時に成長、拡大できるという。事業化には社会受容性や機体の開発、地上のインフラや管制システム、法規制などの整備が必要だ。
2030〜2035年には新たな移動手段として定着し、利用層が広がることで急成長すると見込む。2040年代には個人所有の需要が新たに増加し、さらなる市場拡大が期待できると予測する。その後、2050年には市場が安定し、事業規模が120兆円以上に成長するという。
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