EV販売より取り扱い終了を選ぶディーラーも? Uberは自動運転と空飛ぶクルマ手放す:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
みなさんこんにちは、金曜日です。寒いですね。1週間、お疲れさまでした。東京都が2030年までに都内で販売する新車を全て電動車にする方針を示したこともあり、先週に引き続き、今週も電動化の動向が話題になりましたね。
みなさんこんにちは、金曜日です。寒いですね。1週間、お疲れさまでした。
東京都が2030年までに都内で販売する新車を全て電動車にする方針を示したこともあり、先週に引き続き、今週も電動化の動向が話題になりましたね。また、経済産業省は2030年代半ばに新車販売を全て電動車にする目標に向けて、自動車メーカーの幹部や有識者を招いて検討会をスタートしました。NHKの報道によれば、検討会の参加者からは「トラックや軽自動車など車種ごとに対応を考えるべきだ」という意見が上がったそうです。クルマは作る人、売る人、使う人、修理する人がいて成立していますので、その全ての人たちのために車種ごとに考えた適切な対応を議論してほしいですね。
連日のように大手メディアが日本での電動車の普及について取り上げているのを横目に見ながら、「元東京都知事の石原慎太郎氏が、ディーゼルエンジンの黒煙に含まれる粒子状物質の入ったペットボトルをカメラの前で振ってみせたのはいつだったのだろう」とふと考えました。リアルタイムでその光景を見た記憶はなく、そういうパフォーマンスがあったのだと誰かから教わったような気がして調べてみると、1999年ごろから2003年の東京都知事選のあたりの報道写真が見つかりました(当時私は小学校高学年でした)。
こうしたパフォーマンスの印象もあって「ディーゼルは悪者」という誤解も広まったんですね。「電動車」という言葉でも、似たような誤解が広がらなければいいなと思います。“新車全て電動車”のニュースに対するSNSの反応を見ていると「電動車でこの地域の冬を乗り越えられると思っているのか」「電動車がこの雪に耐えられるか信用ならない」というような、電動車なんて使い物にならないと疑っている声が見つかります。
今売っているクルマのどれが「電動車」に該当し得るか、雪国でそうしたクルマが既にどれだけ走っているか、知らない人は全く知らないのかもしれませんね。そういえば、GM(General Motors)が米国ミシガン州ミルフォードの試験場で、電気自動車(EV)として生まれ変わった「ハマー」の冬季テストを開始したそうです。ハマーEVが誰にでも買える価格のクルマでないことや、誰にでも好まれる大きさでないことは重々承知の上ですが、パワフルなEVがミシガン州の厳しい寒さでも高いパフォーマンスを発揮するところを見せれば、寒冷地に暮らす人々も「電動車」に一目置くきっかけになるかもしれません。
そうは言ったものの、クルマは売る人と修理する人の存在も不可欠です。ウォールストリートジャーナルの記事によると、GMのキャデラック取扱店のうち、17%にあたる150店舗がEVの販売や修理に必要な高額の設備投資を行わない方針であるようです。
GMはキャデラックブランドでEVのラインアップを強化しており、キャデラックを取り扱うディーラーに対してEV向けの設備投資を行って契約を更新するか、キャデラックの取り扱いをやめるか選択を求めました。その結果、全米のキャデラック取扱店の17%がキャデラックの販売契約終了を選んだとのことです(それらの販売店は他のGMブランドを取り扱っており、キャデラックの販売台数はわずかだったそうです)。
クルマを売り買いする段階まではオンラインでも十分かもしれませんが、修理できる人が身近にいないクルマに乗るのは、現実的ではありません。他に買うクルマの選択肢があればいいですが、選択肢がなくなってしまったら? 選ぶ自由は誰にでも、どこに住む人にも必要です。EVに限らず、米国に限らず、そういったことが起こらないような普及のさせ方であってほしいですね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.