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リコーのPFU買収はベストマッチ、国内組み込みコンピュータ市場で圧倒的トップに製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

リコーが、富士通の子会社であるPFUの買収とその狙いについて説明。リコー 代表取締役 社長執行役員の山下良則氏は「リコーが提供するデジタルサービスを広げていく上で、ベストマッチといえる買収ではないか」と強調した。

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リコーの複合機400万台、PFUのスキャナー400万台の顧客基盤

 グローバルの顧客基盤を見ると、リコーはオフィス向けに複合機で400万台、PFUは業務現場や家庭向けにスキャナーで400万台を展開しており、互いの顧客層に大きな被りはなく、相互に広げていく余地は大きいとする。特に、PFUのスキャナーは、納品書や請求書などの原本を傷つけないスキャン性能、A8〜A3までのサイズ混載入力、手書き文字認識の高い精度の点で、リコーの複合機に搭載されているスキャナーと比べて優れた点が多いという。

両社の顧客ベースとデジタルサービス提供能力の強み
両社の顧客ベースとデジタルサービス提供能力の強み[クリックで拡大] 出所:リコー

 さらに、リコーがワークフローのデジタル化に向けたプラットフォームとして展開する「RSI(RICOH Smart Integration)」とPFUのスキャナーを連携する際には、2022年4月27日に業務提携を発表したサイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」のリコーブランド版の活用も視野に入って来る。

PFUのスキャナーを活用した業務デジタル化の例
PFUのスキャナーを活用した業務デジタル化の例[クリックで拡大] 出所:リコー

 リコーはPFUの買収を契機として、2025年度までに、ワークフローのデジタル化における500億円のビジネス創出、グローバルにおけるITサポート&サービス事業の2000億円規模までの拡大を目指す。

PFUの買収を契機にデジタルサービスの売上高を拡大する
PFUの買収を契機にデジタルサービスの売上高を拡大する[クリックで拡大] 出所:リコー

組み込みコンピュータの国内シェアはPFU20%、リコー11%

リコーの中田克典氏
リコーの中田克典氏 出所:リコー

 また、PFUのコンピュータプロダクト事業が手掛ける組み込みコンピュータは国内シェアトップの20%で、リコー子会社のリコーインダストリアルソリューションズも11%となっている。両社のシェアを単純に合算すると31%となり、国内市場で圧倒的トップになるとみられる。

 PFUとリコーインダストリアルソリューションズは、国内メーカーの製造装置や医療機器、ロボットなどの制御を担う心臓部となる組み込みコンピュータ市場で競合する関係にあるが、「現在のところ、顧客ごとにうまくすみ分けができている」(リコー コーポレート上席執行役員 リコーデジタルプロダクツビジネスユニット プレジデントの中田克典氏)という。

 中田氏はその上で「これまで海外ベンダーから組み込みコンピュータなどの産業用PCを購入していた国内製造業がより安定した製品供給を求めており、国内ベンダーへの期待が高まっている。リコーとPFUが一緒になることで、さらなる開発の効率化が可能になるだけでなく、より充実した製品の提供も行える。さらには、リコー独自でCMOSセンサーの開発を始めているが、これらを活用した新たなエッジコンピュータができれば、それを武器に海外展開などにもつなげられるのではないか」と述べている。

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