メタボリズムを体現するビルを3Dデータで保存するプロジェクト始動：3Dスキャナーニュース

gluonは、銀座にある「中銀カプセルタワービル」を3Dデータで保存する「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」を開始した。新たな保存手法の構築と建築の価値を、後世へ継承していくことを目指す。

[MONOist]

　gluonは2022年4月12日、東京・銀座にある「中銀カプセルタワービル」を3Dデータで保存する「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」の始動を発表した。複雑な形状を3次元計測技術で正確に記録し、新たな保存手法の構築と、建築の価値を後世へ継承していくことを目指す。

　建築家の黒川紀章氏が設計し、1972年に完成した同ビルは、1960年代に展開された建築運動「メタボリズム」の思想を表す建物として知られている。建物の老朽化が進んでおり、2022年4月12日から解体工事が始まった。

「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」［クリックで拡大］ 出所：gluon

　記録には、レーザースキャンのデータと、一眼レフカメラおよびドローンで撮影した2万枚以上の写真データを使用。これらを組み合わせて、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報の3次元データ化を行う。複雑な形状や立体的な構造を記録する他、暮らしの中での改変の軌跡や経年変化した建物の姿も記録し、3Dデータとして残す。

レーザースキャナーによる3Dスキャン、一眼レフカメラによるフォトグラメトリ、ドローンによる航空測量を実施［クリックで拡大］ 出所：gluon

実際の建物［クリックで拡大］ 出所：gluon

　同プロジェクトのクラウドファンディングも同年8月9日まで実施する。成立した際は、オープンソースとして3次元点群データをWebサイトで無償公開する。返礼には「中銀カプセルのNFT（非代替性トークン）」も用意している。

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