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3DスキャナとCADを使って、大正時代の建築文化財を3Dデータで再現CADニュース(1/2 ページ)

下関市、NTTファシリティーズ、オートデスク、トプコンは、2014年から進めていた文化財の3次元化プロジェクトが完了したと発表した。設計・建設時だけでなく管理・運用面にもBIMモデルを活用するモデルケースにしたいとしている。

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 オートデスクらは2015年2月12日、下関市の有形文化財「旧逓信省下関郵便局電話課庁舎」(現・下関市立近代先人顕彰館)の3次元モデル化を完了したと発表した。この3次元データ化作業は2014年からスタートした(関連記事:歴史は3Dデータで後世へ――建築文化財の3Dモデルを運用・維持管理に活用)。建築文化財をBIM(ビルディングインフォメーションモデル)として保存し、かつ運用・維持管理に利用するケースは「日本で初めて」(同社)だという。3次元データを記録、公開することによって、建物の見学や補修、大規模修繕、避難経路や防犯計画、研究などの面でメリットがあるとしている。

 このプロジェクトは下関市文化振興財団が企画し、NTTファシリティーズおよびオートデスク、トプコンが協力して実施した。電話課庁舎の竣工90周年記念特別展に合わせて企画され、2015年2月14日から特別展会場で3次元データの公開を開始する。展示会終了後の3次元データの外部公開は未定だ。

スキャンに要した日数は3日

 BIMモデルの作成は、トプコンとオートデスクによって実施された。まず3Dレーザースキャナによって、建物の周囲15カ所の地点から点群4500万点およびカラー画像を取得した。観測に要した人数と日数は、2人で2日間。1台のスキャナとターゲットプリズムを使用した。3階建ての屋内については、計56カ所の地点で点群8700万点を取得している。2セットのスキャナおよびターゲットプリズムを使用して、2日間かけて4人で実施した。なお1回のスキャンにかかる時間は2分程度。設置・観測・移動を含めると、1地点当たり15分程度だったという。今回は、トプコンの3Dレーザースキャナ「GLS-2000」を使用した。350mの測定レンジを持ち、毎秒12万点のデータを取得できる。


旧逓信省下関電話局電話課庁舎(奥)と3Dスキャンの様子

外観については1日で15カ所からの観測を実施

 各観測地点で取得された点群は、トプコンの「ScanMaster」でレジストレーション(結合)した。結合精度は数mm以内だという。続いて「Autodesk ReCap Pro」で周辺の電線などのノイズデータ処理を行った。この点群ファイルを建築用3次元CAD「Autodesk Revit」にインポートし、それをベースとしてモデリングするとともに、目的に合わせた属性データの枠組み作りとデータの投入を行い、BIMモデルを完成させた。


Autodesk ReCap Proで不要なデータ(電信柱・電線)を削除しているところ

Autodesk Revitで3次元モデリングおよびBIMデータ化している様子

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