車載向けMCUで高精度処理が可能、モデル予測制御技術の評価提供を開始:人工知能ニュース
エヌエスアイテクスは、組み込みシステム向けMCUで動作可能なモデル予測制御技術の評価提供を開始する。RISC-Vベースの並列ベクトルプロセッサIP「DR1000C」を活用して、対象を高速かつ高度に制御する。
エヌエスアイテクスは2022年1月17日、組み込みシステム向けMCUで動作可能なモデル予測制御(MPC)技術の評価提供を開始すると発表した。RISC-Vベースの並列ベクトルプロセッサIP「DR1000C」を活用して、高速かつ最適な制御を提供する。
MPCは、制御対象(プラント)の出力を予測し、評価関数を最適にする操作量がどのくらいかをリアルタイムで探索する制御手法だ。今回、評価関数の最適解探索にメタヒューリスティックソルバーを採用したことで、任意の評価関数が設計可能になり、自動運転の速度制御など、さまざまな用途で効果的にMPCを適用できるようになった。
また、演算リソースに限りのあるMCU環境に対応するため、マルチスレッド機構やベクトル命令を備えるDR1000Cを活用する。これにより、最大16のハードウェアスレッドでベクトルプロセッサが効率的に動作し、セーフティクリティカルな要件に対応するMCUにおいても、高負荷の演算処理をオフロードできる。シングルスレッドやスカラ命令と比較して、4.4倍高い性能を発揮する。
DR1000Cは、自動車向け機能安全規格ISO 26262の安全要求レベルに対応し、ASIL D Ready認証を取得しているため、車載向け組み込みシステムに適している。また、先進的なモデル制御アルゴリズムに対応可能なことから、今後予想されるクリーンエネルギー対応に関する法規制にも対応できる。
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