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デンソーが新領域プロセッサ「DFP」の開発を加速、米スタートアップに追加出資組み込み開発ニュース

デンソーは、同社グループで半導体IPの設計、開発を手掛けるエヌエスアイテクスが、米国のスタートアップ・シンクアイに出資したと発表した。シンクアイは、エヌエスアイテクスが開発を進める、自動運転技術に求められる複雑な計算処理に最適なDFPを効率よく処理する技術を有しており、今回の出資でDFPの開発を加速させたい考え。

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 デンソーは2018年9月6日、同社グループで半導体IP(Intellectual Property)の設計、開発を手掛けるエヌエスアイテクスが、米国のスタートアップ・シンクアイ(ThinCI)に出資したと発表した。シンクアイは、エヌエスアイテクスが開発を進める、自動運転技術に求められる複雑な計算処理に最適なDFP(データフロープロセッサ)を効率よく処理する技術を有しており、今回の出資でDFPの開発を加速させたい考え。

 エヌエスアイテクスは、デンソーが2017年9月に、自動運転技術に必要とされる半導体の実用化に向け、次世代の高性能半導体IPの設計、開発を行う新会社として設立された。資本金は1億円で、人員数は55人で、東京都内に本社を置く。同社が開発を進めるDFPは、従来型プロセッサであるCPUやGPUとは特性が異なり、複数の複雑な計算処理を反射的に処理できることが特徴だ。その時々の情報量や内容に合わせて計算領域を瞬間的に最適化できるため、消費電力や発熱も抑えられる。エヌエスアイテクスが開発した半導体IPは、半導体メーカーなどにライセンス販売する方針だ。

エヌエスアイテクスが開発を進めるDFPの特性
エヌエスアイテクスが開発を進めるDFPの特性。デンソーは、CPUやGPUとは異なる新領域のプロセッサと位置付けている(クリックで拡大) 出典:デンソー

 シンクアイは、DFPにおける計算領域を最適化し、効率よく同時処理を行う技術を有している。デンソーは2016年に出資を行い、DFPの実用化に向けた共同開発を行ってきた。今回のエヌエスアイテクスによる追加出資で、シンクアイとの連携を強化し、DFPの開発を加速させる。

 デンソーはDFPを、CPUやGPUと特性の異なる新領域のプロセッサと位置付けている。自動運転技術で求められる複数の条件を同時に処理する場合には、GPUと比べて消費電力を10分の1に抑えられるという。2017年8月に行ったエヌエスアイテクスの設立会見では、2018年前半までに開発したIPを実装した28nmプロセスのテストチップを用意し、2018年秋以降に半導体メーカーが設計にIPを反映できるよう準備を整え、2020年代前半に実際の車両での搭載を見込むとしていた※)

※)関連記事:自動運転の「判断」のデファクトを狙う、デンソーが半導体のIP設計で新会社

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