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CPUやGPUと違うデンソーの新プロセッサ、運転中のとっさの判断を半導体で実現ET2017 基調講演レポート(1/2 ページ)

「Embedded Technology 2017」「IoT Technology 2017」の基調講演に、デンソー 技術開発センター 専務役員の加藤良文氏が登壇。「AI・IoTを活用したクルマの先進安全技術」をテーマに、同社が取り組む高度運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の開発について紹介した。

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 「Embedded Technology 2017」「IoT Technology 2017」(2017年11月15〜17日、パシフィコ横浜)の基調講演に、デンソー 技術開発センター 専務役員の加藤良文氏が登壇した。「AI・IoTを活用したクルマの先進安全技術」をテーマに、同社が取り組む高度運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の開発について紹介した。


デンソーの加藤良文氏。1985年日本電装株式会社(現、株式会社デンソー)に入社。2010年常務役員就任。ボデー機器事業部、走行安全事業部、技術開発センター担当、ADAS推進部副担当を歴任し、2016年06月に技術開発センター センター長に就任、現在に至る。

 デンソーは、クルマの負の側面であるCO2排出量と交通事故の低減のため、環境分野と安心安全分野の両面で技術開発に注力してきた。特に、安心安全分野では「いつもの安心、もしもの安全」をコンセプトに、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術を活用し、より安心感を持って運転するための技術開発に取り組んでいる。

 自動運転技術の最初のアプリケーションは高速道路での自動運転であり、その次に自動駐車を計画している。その後が市街地の自動運転であり「これはかなりハードルが高くなる」(加藤氏)。

 自動運転システムはさまざまなセンサーを活用して車両の周辺の人やクルマ、道路の白線や形状、走行可能なフリースペースなどを認識する。カメラ、ミリ波レーダー、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)の3種類のセンサーを用いるが、検知対象となる物体の性質や天候によって、それぞれ一長一短がある。環境認識の信頼性を高めるため、センサーフュージョンが必要になる。

 センシングに加えて、高精度地図やGPS、車速、操舵(そうだ)角などによって自己位置推定を行う。これらの情報を基に短期から長期までの軌道計画を立てて、アクチュエーターを制御して車両を動かす。

「判断」に必要なAI技術と半導体

 加藤氏は、AI技術が自動運転システムの中でさまざまな用途を持つと説明した。同社ではディープニューラルネットワーク(DNN)を画像認識に使っている他、ドライバーセンシングにも利用する。ドライバーの姿勢を判断して安全運転につなげるなど活用している。さらに、高速道路の合流のシーンで道を譲ってもらえなかった場合の対応にもAI技術が使えるという。

 この他にもAI技術の実用化に向けた取り組みについて、加藤氏は半導体とデータについても触れた。

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