この記事は、2022年2月8日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
ちょっと古い話で恐縮ですが、昨年(2021年)の12月、釣り具やペット製品などを手掛けるハヤブサの倉庫を見学するため兵庫県へと取材に赴きました。同社倉庫は、ロボットやグリッドタイプの製品格納コンテナを組み合わせた自動倉庫システムを手掛ける、ノルウェー企業Autostoreの製品(オートストア)を導入しています。これが実際に稼働している様子を拝見することが目的でした。
オートストアは格子状の専用コンテナ(グリッド)を積み上げ、その中に製品を詰めた「ビン」を格納し、必要に応じてロボットが自律走行してビンを取り出して従業員(ピッカー)に届ける仕組みです。倉庫に合わせたシステムレイアウトが容易な上、倉庫入出庫作業を大幅に効率化できるといったメリットがあり、欧州ではドイツやノルウェーなどで450件超、国内ではニトリホールディングス傘下のホームロジスティクスをはじめ43件(導入工事中含む)の導入実績を持つなど、注目を集めています。
自動倉庫システムを現地で取材するのは、筆者にとってこれが初めてでした。取材前からオートストアのデモ動画は何度か見ていたのですが、生で見ると、やはり受ける印象は全く違います。まるでSF映画の世界のような光景が目の前にあったのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫MONOistメールマガジン編集後記バックナンバー
- 頭上を走り回る物流ロボット、大胆な配置にも応えるオートストアの柔軟性
釣り具製品などを展開するハヤブサは2021年12月3日、ロボットを用いた自動物流倉庫システム「オートストア」を導入した自社倉庫の見学会を開催した。レイアウトの柔軟性が高いオートストアの特徴を生かして、入出庫作業を大幅に効率化し、出荷スピードの向上を達成。 - 物流の第4次産業革命「Logistics 4.0」とは何か
物流ビジネスへの注目が日増しに高まる中、新たなイノベーションによって、物流の第4次産業革命ともいえる「Logistics 4.0」が起きつつある。本連載では、Logistics 4.0の動向解説に加え、製造業などで生み出される新たな事業機会について紹介する。第1回は、Logistics 4.0までの物流におけるイノベーションの変遷を解説する。 - 60台のロボットが自由に行きかうスマート倉庫、21万点の製品から自動ピッキング
総合物流サービスを提供展開するサンリツは、ロボットソリューションを提供するスイスログの自動ロボット制御ピッキングシステムを同社の物流倉庫に導入した。医療機器メーカーのボストン・サイエンティフィック ジャパンが使用し、約21万点の製品の保管や製品出荷に対応する。 - 物流業務を5倍に高速化、上下に動く3次元走行AGV開発メーカーの「真の強み」
床面の移動だけでなく「上下」の3次元移動を実現する、物流倉庫向けAGVを開発した企業がある。AGVソリューションの開発、販売を手掛けるフランスのベンチャー企業、Exotecだ。「Skypod」と名付けられたこのAGVは、現在、欧州を中心に導入件数を広げており、日本の国内企業でもファーストリテイリングが自社倉庫に導入したと報じられている。3次元移動AGVによって物流倉庫の自動化はどのように変わるのか、また、3次元移動をどのようにして実現したのか。Exotec CEOに話を聞いた。 - ロボットのルート探索を超効率化、ノルウェー発の物流自動倉庫システムが進化
物流自動化システムを開発するノルウェー企業のAutoStoreは2020年10月27日、自動物流倉庫システム「オートストア」において、ロボットによる高効率なルート探索を実現するアルゴリズムなどを含んだソフトウェアスイート「Router」の開発を発表した。