2D図面の“一義性”を考える【その6】寸法数値/配置と寸法補助記号:3D CADとJIS製図(8)(4/4 ページ)
連載「3D CADとJIS製図の基礎」では、“3D CAD運用が当たり前になりつつある今、どのように設計力を高めていけばよいのか”をテーマに、JIS製図を意識した正しい設計/製図力に基づく3D CAD活用について解説する。第8回は、前回解説できなかった「寸法数値・寸法配置」の部分と「寸法補助記号」を取り上げる。
3.寸法補助記号
「Z 8114:1999 製図−製図用語 Technical product documentation−Terms relating to technical drawings」を確認すると、寸法補助記号とは「寸法数値に付加して、その寸法の意味を明確にするために用いる記号」と記載されています。寸法補助記号には、表1に記載されたものがあります。
頻繁に使用するものもあればそうでないものもあります。また、使用する上で注意が必要なものもあります。以下、特筆すべき内容について取り上げます。
3.1.直径Φ
円形の直径の寸法を記入する際、寸法線の両端に端末記号が付く場合は直径記号「Φ」を使用しなくてもよいと、JISに規定されています。また、円形の一部を欠いた図形で寸法線の端末記号が片側の場合は、半径寸法と誤解しないように直径記号Φを記入します。
また、引出線を用いて記入する場合には直径記号を記入しますが、明らかに円形になる加工方法が併記されている場合は直径記号を記入しません。
3.2.コントロール半径「CR」と半径「R」
コントロール半径「CR」と半径「R」は何が違うのでしょうか。CR(Control Radius)は図17左で示したように直線部と半径の曲線部が滑らかにつなげられた状態を指示します。CRでは、ある一定の範囲に半径があることをコントロール(制御)することが目的で、これは最大許容半径と最小許容半径との間(2つの曲面に接する公差域)に存在するように規制されています。
一方、よく使用されるRの場合は、曲線部分に凹凸(おうとつ)の有無、直線部と半径部の滑らかさや、段差の有無は制御されていないという点で異なります。
大きさに対する定義について理解も進んできました。次回は今回お話できなかった「寸法補助記号」の残りと「穴寸法」を取り上げます。お楽しみに! (次回へ続く)
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