2D図面の“一義性”を考える【その6】寸法数値/配置と寸法補助記号:3D CADとJIS製図(8)(3/4 ページ)
連載「3D CADとJIS製図の基礎」では、“3D CAD運用が当たり前になりつつある今、どのように設計力を高めていけばよいのか”をテーマに、JIS製図を意識した正しい設計/製図力に基づく3D CAD活用について解説する。第8回は、前回解説できなかった「寸法数値・寸法配置」の部分と「寸法補助記号」を取り上げる。
2.寸法の配置
寸法配置には「直列寸法記入法」「並列寸法記入法」「累進寸法記入法」「座標寸法記入法」などの記入法があります。それぞれ目的に沿った使用が必要です。その特徴について解説します。
2.1.直列寸法記入法
直列に連なる個々の寸法に与えられる公差が次々に累積してもよい場合に使用します(図10左)。
2.2.並列寸法記入法
直列寸法表示と異なり、並列に寸法を記入することで、個々の寸法に与えられる公差は累積しないので、公差の累積を許さない場合に使用します。なお、共通側の寸法補助線は、加工基準やその部品の機能上の基準になる位置に設定します(図10右)。
2.3.累進寸法記入法
並列寸法記入法と同じ意味になり、個々の寸法に与えられる公差の累積は許しません(図11)。
2.4.座標寸法記入法
複数の種類の、また多くの穴が必要になる場合に使用します。穴の位置、大きさなどの寸法は、正座標寸法記入法を使用して表にします。(X,Y)の形式で座標値を表示します。この起点は、加工基準や機能を考慮した位置を原点にします(図12)。
SOLIDWORKSでは、穴テーブル(挿入>穴テーブル)機能により座標寸法を作成できます。
2.5.その他
「極座標寸法記入法」といったカムプロファイルの寸法を示すものがあります。極(きょく)座標は、距離と角度で物体の位置を表す座標です。JIS記載の例でも、中心間距離αと角度βにより示されています。
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