2D図面の“一義性”を考える【その4】断面図を使用した図形の表し方:3D CADとJIS製図(6)(4/4 ページ)
連載「3D CADとJIS製図の基礎」では、“3D CAD運用が当たり前になりつつある今、どのように設計力を高めていけばよいのか”をテーマに、JIS製図を意識した正しい設計/製図力に基づく3D CAD活用について解説する。第6回では、断面図を使用した図形の表し方を詳しく取り上げる。
2−6.必要な部分を合成した断面図(階段断面図)
ここでは図16の部品を用いて、必要な部分を合成した断面図(階段断面図)について説明します。
図17は、異なる部分を1つの断面図で表しています。その例として、階段状の断面図を作成しました。同じ切断面上では同一のハッチングを行いますが、階段状の切断面の各段に現れる部分を区別する必要がある場合には、ハッチングをずらして引く場合もあります。
2−7.経路(曲がりに沿った)による断面図
曲管などの断面図は、その曲管の中心線に沿って切断し、そのまま投影することで表します。なお、この「曲がりに沿った断面図」と次に紹介する「薄肉厚物の断面図」について、筆者は使用したことがないため、SOLIDWORKS(2D)ではなく、JISに記載されている図を用いています。
2−8.薄肉厚物の断面図
薄肉厚物の断面図についてJISを確認すると「ガスケット、薄板、形鋼などで、切り口が薄い場合には、次によって表すことができる」と記載されています。JIS記載の図は以下の通りです(図19)。
2−9.一連の断面図
複雑な形状の対象物を表す場合には、図20に示すように必要に応じて多数の断面図で表します。
3.まとめ
多くの3D CADには、設計した3Dモデルから2D図面に落とし込む(2D図面化する)機能が搭載されていますが、その全てがJISに準拠しているわけではなさそうです。そのため、設計者自身が可能な方法で、誰もが理解できる「分かりやすい図面」を作製する必要があります。
次回は、今回紹介してきた断面図の注意事項と、「寸法(サイズ)」の解説を行います。お楽しみに! (次回へ続く)
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