2021年度グッドデザイン賞は過去最多、分身ロボ「OriHime」や3D都市「PLATEAU」などが大賞候補に:デザインの力(2/2 ページ)
日本デザイン振興会は「2021年度グッドデザイン賞」受賞記者発表会をオンラインで開催した。今回は、過去最多となる1608件がグッドデザイン賞を受賞。併せて、高い評価を受けた100件のプロダクトやサービスなどに贈られる「グッドデザイン・ベスト100」が決定した他、さらにその中から「グッドデザイン金賞」「グッドフォーカス賞」が選ばれた。
最終プレゼンテーション審査に臨むファイナリスト(5件)
そして、このうち2021年度グッドデザイン大賞候補として選出され、同年11月2日の最終プレゼンテーション審査に臨むのは、
- 富士フイルムの移動型X線透視撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO CROSS」
- 黒岩構造設計事ム所の小さくても地域の備えとなる災害支援住宅「神水公衆浴場」
- 国土交通省都市局 都市政策課の3D都市モデル「PLATEAU[プラトー]」
- オリィ研究所の「遠隔勤務来店が可能な『分身ロボットカフェDAWN ver.β』と分身ロボットOriHime」
- Hair O'right Internationalの「The best sustainability-oriented organizational adaptation to climate change」
の5件となった。
2021年度グッドデザイン賞 審査委員長を務めた安次富隆氏は、「今回の結果を俯瞰して、あらためて驚いたのは、われわれがテーマに掲げた『希求と交動』をいち早く実践しているグッドデザインが多数見られたことだ。人や社会、環境を構成するコミュニケーションやサービス、プロダクト、建築などを互いにつなげる“接続性”を強化、拡張、増幅することで、行動が制限された世の中をより良くしようとするものが目立った」と感想を述べる。
同じく、2021年度グッドデザイン賞 審査副委員長の齋藤精一氏は「デザインの“自分ごと化”というのが今年は強く感じられた。単に目標を作るだけではなく、そこに向かって何かしらのアクションを起こしていく、一歩を踏み出していくということが、今の時代には必要であり、さまざまなデザインを通じてそれを感じることができた」と審査を振り返る。
オンラインとリアルで「2021年度グッドデザイン賞」を紹介
日本デザイン振興会は2021年10月20日〜11月21日まで、2021年度グッドデザイン賞を特別Webサイトと実会場(東京ミッドタウン・デザインハブ他)で紹介するイベント「GOOD DESIGN SHOW 2021」を開始する。
特別Webサイトでは受賞した1608件の情報などを公開する他、同年11月2日に行われる最終プレゼンテーション審査のアーカイブの公開や多彩なゲストを招いたオンライントークセッションなども行う。同時に、実会場でグッドデザイン・ベスト100を紹介する展示会「GOOD DESIGN EXHIBITION 2021」なども開催する。
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