寝たきりでも手先を使った接客を可能にする合体型分身ロボットを開発:医療機器ニュース
川田テクノロジーズとオリィ研究所は、病気や重度障害などにより外出が困難な人でも、遠隔操作で手先を使った接客が可能になるロボットを開発する「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」を開始した。
川田テクノロジーズは2020年8月31日、オリィ研究所と共同で、合体型分身ロボットを開発する「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」を開始すると発表した。病気や重度障害などにより外出が困難な人でも、遠隔操作で手先を使った接客ができるロボットを開発する。
ロボットの開発には、オリィ研究所の分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」と、川田テクノロジーズのグループ企業カワダロボティクスの汎用(はんよう)ヒト型ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」を組み合わせる。これにより、視線入力やスイッチなどのインタフェースを使用して、OriHimeの操作者がNEXTAGEを遠隔操作できるようになる。
オリィ研究所では、外出困難者がPCやタブレット、スマートフォンを通してOriHimeを操作し、遠隔地から接客する「分身ロボットカフェ」を2018年から開催している。一方、川田テクノロジーズのNEXTAGEは、2010年の発売以来、製造現場での組み立て、検査、梱包などで使用されている。
今回のプロジェクトにより、操作者はOriHimeで客とコミュニケーションを取るだけでなく、NEXTAGEを遠隔操作して、バリスタのようにコーヒーをいれるといった手先を使う作業が行える。
ロボット操作で接客と手先を使った作業が可能になるため、重度の肢体不自由の人でも幅広い社会参加が可能になる。また、人と人との接触を減らしたい現場での活用も期待できるとしている。
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