キヤノンの「PowerShot ZOOM」がiFデザインアワードのプロダクト分野で金賞獲得:デザインの力
キヤノンは、同社グループが手掛けた9つの製品が国際的デザイン賞「iFデザインアワード2021」を受賞したことを発表した。いずれも同アワードのプロダクト分野での受賞となり、そのうち「PowerShot ZOOM」は最高位に当たる金賞に選ばれた。
キヤノンは2021年4月19日、同社グループが手掛けた9つの製品が、国際的デザイン賞「iFデザインアワード2021」を受賞したことを発表した。いずれも同アワードのプロダクト分野での受賞となり、そのうち「PowerShot ZOOM」は最高位に当たる金賞に選ばれた。
iFデザインアワード2021(プロダクト分野)で金賞を獲得したPowerShot ZOOMは、キヤノンが開発した単眼鏡の形をしたコンパクトデジタルカメラ。電源ONですぐに起動でき、本体上部の[Zoom]ボタンを押すことで、焦点距離が100mm/400mm/800mmと瞬時に切り替えられるのが特長である(※800mmのみデジタルズーム)。手のひらで包み込むようにして片手で持つことができ、大きな望遠レンズを持ち歩かなくても手軽にズーム機能を利用した“見る/撮る”の体験が楽しめる(関連記事:キヤノンの「PowerShot ZOOM」はリーン&共感型開発で生まれた)。
その他、プロダクト分野でアワードを獲得した製品は、デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark III」、ミラーレスカメラ「EOS R5」、カメラ用交換レンズ「RF800mm F11 IS STM/RF600mm F11 IS STM」、手ブレ補正機能付き双眼鏡「10×20 IS/8×20 IS」、デジタルシネマカメラ「EOS C500 Mark II/EOS C300 Mark III」、インクジェットプリンタ「PIXMA TR150」(国内未発売)、光干渉断層計「OCT-S1」、歯科用ミリングマシン「MD-500」(キヤノン電子の製品)の8つとなる。
ドイツのiFインターナショナル・フォーラム・デザインが主催するiFデザインアワードは、1953年から続く国際的なデザインコンペの1つであり、毎年、全世界の工業デザインを対象に優れたデザインを選出している。アワードは、プロダクト、パッケージ、コミュニケーション、インテリア/内装建築、プロフェッショナルコンセプト、サービスデザイン、建築の7つの分野で構成。iFデザインアワード2021では、世界52の国や地域から約1万件の応募があり、国際的に活躍するデザインの専門家らによって審査が行われた。
今回の受賞で、キヤノングループはiFデザインアワードを27年連続で獲得したことになる。この結果を受け、同グループは「これを励みに、今後も性能とデザインを高度に融合させた製品づくりに取り組んでいく」としている。
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