リモート処理に対応、3Dスキャンソフトの最新版とクラウドプラットフォーム:3Dスキャナーニュース
Artec 3Dは、3Dスキャンソフトの最新版「Artec Studio 16」とクラウドプラットフォーム「Artec Cloud」を発表した。デバイスの技術的な制限や場所にとらわれず、ブラウザを介して3Dスキャンの処理ができる。
Artec 3Dは2021年9月20日、3Dスキャンソフトウェアの最新版「Artec Studio 16」と、クラウドベースのコラボレーションプラットフォーム「Artec Cloud」を発表した。Artec Studio 16とArtec Cloudの統合により、3Dプロジェクト管理の合理化を支援する。
Artec Cloudは、オンラインでの3Dスキャンデータへのアクセスや表示、コメント、処理を可能にする。3Dデータをアップロードしたり、コメントや写真を送信したりするなど、ユーザーはチームとの共同作業ができるようになる。
Artec Studio 16と「Control X」とのシームレスな統合により、コンポーネントや製品の検査に対応。スキャンから検査へのスムーズなワークフローを提供し、Artec Studio 16でスキャンの終了やメッシュの検査、Control Xを利用した検査の実行や、バッチ検査も可能だ。
また、独自の検査ツールでSCAN to CADの位置合わせが8倍速になり、複雑なCADモデルでの距離マッピングの測定計算を70%高速化する。垂直距離の正確な点間測定は数回クリックするだけで実行可能で、正確な厚さの計算や外形寸法の定義が容易だ。
さらに、カスタマイズされたフリーフォームの幾何形状の活用で、曲線サーフェス用のカスタムフィットの幾何形状が作成できる。拘束によりスキャンに適合する幾何形状は所定の位置にスナップされ、プラグインなしでもSOLIDWORKSに直接出力が可能だ。
Artec Studio 16は、同社のハンドヘルド3Dスキャナー「Eva」「Leo」に搭載されたArtec 3Dのニューラルネットワークを基盤としたHDモードを大幅に強化。HDプロジェクトを約2倍速で再構築できるようになり、サイズは20%ほどに縮小される。
さらに、スキャンデータと写真を組み合わることができ、高精度のモデルの作成も可能。LeoやEva、Spiderでキャプチャしたメッシュへのテクスチャの作成やマッピングができ、フォトグラメトリで作成したモデルの任意のスケールを、実際のスケールに一致できる。
Artec Studio 16ではプロジェクトの読み込みが約10倍速くなり、読み込みの平均が10秒に短縮。スキャンが完全に読み込まれる前のデータ操作、プロジェクトの進捗の安全な自動保存も可能になった。
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