3Dスキャナー市場の新レポート発刊、市場価値は2030年までに85.9億ドルに:3Dスキャナーニュース
SDKIは3Dスキャナーに関する新レポートを発刊した。品質管理と検査での活用が拡大し、市場価値は2022年に50.8億ドル、2030年までに85.9億ドルに達すると推定する。
SDKIは2021年8月3日、3Dスキャナーに関する新レポートを発刊した。2022年に50.8億ドル(約5600億円)となる市場価値は、7.8%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2030年までに85.9億ドル(約9500億円)に達すると推定する。
同調査では、3Dスキャナー市場を、オファリング別(ハードウェアやソフトウェアなど)、タイプ別(レーザー、構造化照明)、範囲別、製品別(三脚取り付けや固定CMMベースなど)、アプリケーション別(品質管理と検査、リバースエンジニアリングなど)、業界別(自動車、ヘルスケア、航空宇宙と防衛など)、地域別に分割している。これらはさらに細分化され、それぞれのCAGR、評価期間の市場価値やボリュームなど、市場に関する追加情報をまとめている。
2016年の3Dスキャナー市場は、アプリケーション別では品質管理と検査が最大のシェアを占めた。品質管理と検査アプリケーションに3D計測を使用する自動車や航空宇宙、防衛が主要な産業となっている。特に自動車業界では、車両工場の全領域で3Dスキャナーを必要としており、自動車部品やパワートレイン部品、車両の検査などで今後も活用が見込まれる。
業界別に見ても、2016年の同市場では自動車が最大のシェアを占めている。今後は、高速で柔軟性があり、厳しい品質管理と生産要件を満たすことが証明されている光学3Dスキャナーが成長をけん引するという。
地域別では、アジア太平洋地域が2022〜2030年にかけて高成長すると予想。中国やインドなどの発展途上国が含まれるため、エンジニアリングやインフラストラクチャプロジェクトの増加、歯科分野の成長など、3Dスキャンアプリケーションが大きな可能性を秘めている。
また、3Dスキャナー市場の主要企業として、スウェーデンのHexagon、アメリカのTrimble、日本のトプコンなどを挙げる。レポートでは、北米、アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東、アフリカ、ヨーロッパなどの情報、主要企業の詳細な競合分析、企業プロファイル、最近の動向、主要な市場戦略についてもまとめている。
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