IO-Linkなど通信機能対応でモジュールタイプの電子式サーキットブレーカー:FAニュース
フエニックス・コンタクトは2021年9月16日、電子式サーキットブレーカーについてのWebセミナーを開催し、その中で国内投入準備中の新製品について紹介した。
フエニックス・コンタクトは2021年9月16日、電子式サーキットブレーカーについてのWebセミナーを開催し、その中で国内投入準備中の新製品について紹介した。
機器保護用のサーキットブレーカーでは、熱磁器式と電子式が存在する。機械式の接点で電流のオンとオフを切り替える熱磁器式に対し、電子式ではMOSFETにより電子的に電流のオンとオフを切り替える。詳細な設定が行えるため、品目数を増やさなくてもさまざまな電気環境に対応できる他、マルチチャンネル化が可能なため、従来は複数台のサーキットブレーカーが必要だった場合でも1台で収めることができ、制御盤内の省スペース化に貢献する。
ドイツ本社のブレーカー製品部門責任者である、PHOENIX CONTACTのMario Stolzenberg(マリオ・シュトルツェンベルグ)氏は「電子式サーキットブレーカーは約20年前に市場に投入し、ここ10年で欧州から普及が広がってきた。欧州市場では既に65%以上が電子式となってきている。米国でも欧州から3〜5年遅れて普及が広がっている。普及が進んだのは工作機械やオートメーションなどの産業向けで欧州企業が採用を進めたという点がある。もう1つの要因は、さまざまなソリューションが増えてきているという点がある」と電子式市場の拡大について述べている。
新製品はモジュール式の電子式サーキットブレーカー「CAPAROC」である。日本では2021年秋の販売に向けて準備中だという。「CAPAROC」はモジュールタイプで、チャンネル数などを自由に入れ替えることが可能だ。また、通信機能付きで、リモートメンテナンスなどでの活用が行える。まずはPROFINETへの対応を行う他、今後IO-Linkなどを追加予定としている。「全ての企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)への途上にある。工場では生産設備の故障やダウンタイムが課題となる中、設備の透明性が求められている。こうした見える化や予知保全への対応を進めていく」(シュトルツェンベルグ氏)としている。
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