ニュース
ミシュラン合弁会社がモジュール式金属3Dプリンタを国内で本格展開:金属3Dプリンタ
ミシュランの合弁企業であるフランスのAddUp(アダップ)は、パウダーベッド式金属積層造形装置「FormUp 350」最新機を発表し日本での展開を開始した。
ミシュランの合弁企業であるフランスのAddUp(アダップ)は、パウダーベッド式金属積層造形装置「FormUp 350」最新機を発表し日本での展開を開始した。
新製品は、アダップ独自のモジュール方式で金属3Dプリンティングの高い拡張性を実現した一方で、従来以上に生産性、再現性、安全性を高め、高品質な金属積層造形を行えるようにしたことが特徴だ。
モジュール方式による高い拡張性により、試作などR&Dのアプリケーションから生産環境まで幅広いニーズに対応できる他、ローラーとスクレーパー両方のリコーティング機構を備えており、微細な粉末から粗い粉末まで、さまざまな粒度の粉末を使用できる。レーザーは4本搭載しており、不活性ガス消費量の削減や自動リコーティングなどによる生産性向上を実現する。また、3軸制御により、高いレーザー焦点精度を確保している。価格はオープン。
新製品に加え、アダップでは日本向けでの金属3Dプリンタへの取り組みを強化している。2021年6月1日には、航空機関連の製造オートメーション設備機械などを取り扱う富士インダストリーズと、日本ミシュランタイヤの3社間協業に関する覚書を締結。富士インダストリーズがアダップの金属積層造形装置の国内正規販売元となり国内展開を加速させる。日本ミシュランタイヤは日本におけるアダップの技術サポートを担い、技術営業サポートやデモパーツ造形、装置の組み立てや試運転を通じて、アフターサービスを支援する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ミシュランと群馬県の企業が金属積層造形に挑戦、人材育成から量産まで確立目指す
日本ミシュランタイヤと群馬県の自動車部品メーカーなど8社は2021年6月25日、オンラインと群馬県庁で会見を開き、「群馬積層造形プラットフォーム」を設立すると発表した。 - 広がる金属3Dプリンタと工作機械の融合、それぞれの技術方式の特徴
2020年11月16〜27日にオンラインで開催された「第30回 日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2020 Online)」において、主催者セミナーとして、東京農工大学 工学府 機械システム工学専攻教授の笹原弘之氏が登壇。「金属材料のAdditive Manufacturingの基礎から見える未来予想」をテーマとし、金属AMの代表的ないくつかのプロセスの基本原理とメリットやデメリットについて述べるとともに、国内外の金属AMの最新動向について紹介した。 - 世界で最も3Dプリンタに期待しない日本、“小さな鋳造工場”をどう生かすか
国内製造業の設計、開発、製造・生産技術担当役員、部門長らが参加した「Manufacturing Japan Summit(主催:マーカスエバンズ)」が2019年2月20〜21日、東京都内で開催された。開会基調講演では、GEアディティブ日本統括責任者のトーマス・パン氏が登壇し、「パラダイムシフト:アディティブ製造がもたらすモノづくり変革」をテーマに、積層造形技術の持つ可能性や、GEアディティブの取り組みについて紹介した。 - 工作機械でトポロジー最適化したらこうなった――DMG森精機
DMG森精機は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、金属積層造形技術の価値を訴求するために、トポロジー最適化を駆使して実現した工作機械を参考出典した。 - 金属3Dプリンタ活用3つのハードルと日本のモノづくりの今後
金属3Dプリンタ関連の技術開発が急速に進み、海外を中心に製造事例も聞こえてくるようになった今日、その動きに取り残されないよう、従来の考え方や経験にとらわれない仕事をしていくことが、今後はより重要になっていきそうだ。 - 金属3Dプリンタは量産対応とともに「誰でも使える」を目指す、ソフトウェアも続々
東京ビッグサイトで「第29回 設計・製造ソリューション展(DMS2018)」が開催された。その中で金属3Dプリンタは海外を中心に10社以上の製品が並んだ。 - 足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。