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BJT方式の金属3Dプリンタ導入で、1〜1000mm超の造形サービスに対応:FAニュース
日本電産マシンツール(旧社名:三菱重工工作機械)は、金属3Dプリンタの造形サービスを拡大する。従来の大型造形物向けDED方式に加え、小型造形物向けBJT方式の金属3Dプリンタを導入することで、幅広い造形ニーズに応え、造形物に応じた適切な製造法や装置を提案、提供する。
日本電産マシンツール(旧社名:三菱重工工作機械)は2021年7月15日、金属3Dプリンタによる造形サービスを拡大し、小型部品から超大型部品まで、幅広い造形物の製作に対応する新サービスの提供を開始した。
同社はこれまでの大型造形物向けデポジション(DED)方式金属3Dプリンタ「LAMDA」シリーズに加え、小型造形物向けバインダージェット(BJT)方式の金属3Dプリンタ「DMP2500」(デジタルメタル製)を導入する。DMP2500の外形寸法は2900×1000×1700mmで、プリントサイズは最大170×150×57mm、造形速度は1時間あたり60〜150ccとなっている。
DMP2500が採用するBJT方式は、平らに敷き詰めた金属粉末にバインダー(結合剤)を噴射して固形化するもので、精緻な造形能力を備え、量産に適している。同社は異なる方式の装置を導入することで、1mmサイズから1000mmを超える部品まで、幅広い造形ニーズに応え、造形物に応じた適切な製造法や装置を提案、提供できるようになる。
同社は、造形サービスの体制を整え、さまざまな用途向けの試作や受託生産に対応することで、部品製造における金属3Dプリンタの活用を推進していく。
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