IDECファクトリーソリューションズ、事業拡大に向け新工場稼働、新本社も建設へ:工場ニュース
IDECファクトリーソリューションズは、新工場と新本社の建設について発表した。新工場では、生産エリアへの大型モニター設置や自動搬送ロボットの導入により、生産性と効率の向上を図る。
IDECファクトリーソリューションズは2021年3月26日、愛知県一宮市に建設した新工場が同年4月1日から稼働を開始すること、また、新工場の向かいの敷地に、2022年3月完成予定で新本社を建設することを発表した。
新工場と新本社の建設には、約14億円を投資する。新工場は、延床面積が2766m2で、地上3階の鉄骨造となる。生産エリアに大型モニターを設置し、生産工程の可視化を図る。また、部品や完成品を自動搬送するAMR(Autonomous Mobile Robot)を導入し、生産性と効率を向上する。生産エリアの拡充により、システムソリューションをこれまでの2倍生産できるようになる。
他にも、新工場では環境負荷を低減するため、屋上に年間約8.6万kwの発電ができる太陽光発電パネルを設置。これにより、新工場で使用する電力の45〜50%を自家発電でカバーする。また太陽光発電パネルは、新本社の屋上にも設置する。
2021年度には、電気設計の3D CAD「EPLAN」を活用し、制御盤内で使用するワイヤーハーネスの測長や切断工程を自動化する。また、グループ会社のIDEC AUTO-ID SOLUTIONSの自動認識機器により、進捗管理を可視化するなど、IoT(モノのインターネット)工場として進化させていく。
新本社は、延床面積が2915m2で、こちらも地上3階の鉄骨造となる。
新本社が完成した後は、「協調安全ロボットテクニカルセンター」を1階に移設する。同センターは、協働ロボットの活用方法や安全なシステム構築方策を提案し、顧客のニーズに合わせてシステムを提供する拠点となる。同じフロアには、協調安全ロボットシステムの生産エリアを設け、生産能力を3倍に拡充する。2階はセミナールーム、3階は設計、営業、経営管理などの事務フロアとなる。
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