ロボット技術で遠隔ジムトレーニング、エイプリルフール企画だがガチ度高め:ロボット開発ニュース
東京ロボティクスは2021年4月1日、同社のロボット技術とNTTコミュニケーションズの通信技術を融合したテレプレゼンスロボット技術による遠隔ジムトレーニングサービス「テレトレ」を開始すると発表した。4月1日発表のエイプリルフール企画だが、公開された動画を見るとかなり作り込まれていることが分かる。
東京ロボティクスは2021年4月1日、同社のロボット技術とNTTコミュニケーションズの通信技術を融合したテレプレゼンスロボット技術による遠隔ジムトレーニングサービス「テレトレ」を開始すると発表した。自宅にいるユーザーとジムにいる人型ロボットを一体化させることで、自宅にいながらにしてジムでトレーニングができるという画期的なサービスだという。
このテレトレ、4月1日発表のエイプリルフール企画ということで、実際にサービスを開始してはいない。東京ロボティクスは2019年4月、NTTコミュニケーションズのオープンイノベーションプログラム「NTT Communications Open Innovation Program」のパートナーに選ばれている。そのテーマが「離れた場所からでも自由自在に身体を動かす体験による、未来の遠隔操作」であり、今回のテレトレのフックになったようだ。
ただし、エイプリルフール企画とはいえ、東京ロボティクスが得意とするバイラテラル制御を用いたテレプレゼンスロボットによる遠隔ジムトレーニングサービスはなかなか本格的だ。YouTubeで公開しているテレトレの動画に登場する、トレーニングを行うユーザー側のロボットと、遠隔トレーニングを指導するトレーナー側のロボットはかなり作り込まれており、実際には東京ロボティクスとNTTコミュニケーションズによるテレプレゼンスロボットの共同開発成果を披露する狙いが強い。
テレトレでは、バイラテラル制御により、操作装置を身に着けた人間が動くとロボットも同じように動き、ロボットが5kgのダンベルを持つと人間も5kgの力を感じることができる。高出力のロボットに実装するのは難しいが、東京ロボティクスが培ってきた制御技術で実現している。また、NTTコミュニケーションズの映像提示技術と高品質な映像伝達技術により、VR(拡張現実)ヘッドマウントディスプレイを装着した操作者のVR酔いを防ぐことで、負担の少ない長時間操作も可能になっているという。
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