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生産性を2.2倍に高め、残業時間を3343時間削減したIoTによる生産革新の成果MONOist IoT Forum 2020 Digtal Live(後編)(2/2 ページ)

MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパンの、アイティメディアにおける産業向けメディアは2020年12月14〜15日、オンラインでセミナー「MONOist IoT Forum 2020 Digtal Live」を開催した。同セミナーは通算で14回目となるが、オンラインでの開催は初となる。後編では久野金属工業(愛知県常滑市)取締役副社長の久野功雄氏による特別講演「機械・人・仕事のDXによる生産性革命」の内容を含むDay2の内容を紹介する。

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「Customer 360」で「稼ぐ力」向上を訴えたセールスフォース・ドットコム

 続いて、セールスフォース・ドットコム インダストリーズトランスフォーメーション事業本部製造業担当マネージャの鹿内健太郎氏が「未来を自ら生み出すためにすべきこと」をテーマにセッションを行った。

 日本の国民1人当たりの名目GDPはかつて世界一だったが、現在は大きく後れを取っている。ただ、機械・電気・情報通信、輸送用機械、化学などを含む製造業は、まだ世界的な競争力を維持している。その中でセールスフォース・ドットコムでは製造業が「稼ぐ力」をさらに強化し、グローバル競争でさらに高いポジションを得られるようにする支援を進めてきた。「工場の製造工程はデジタル化しているものの、サプライチェーンやアフターサービスなど、製造工程の川上と川下がデジタル化されていないというのが一般的だ」と鹿内氏は課題を指摘する。「重要なことは製造工程だけでなく、全体をつなぐことだ。特にサービス領域のデジタル化が稼ぐ力を高める」と鹿内氏は述べている。

 そこで同社では、「Customer 360」というコンセプトのもと、顧客データの管理を営業、アフターサービスなどの分野に生かし、顧客の変革を支援していく価値について紹介した。

現場の実情に合わせたBIツールを提供するウイングアーク1st

 ウイングアーク1st製造企画営業部 グループマネージャーの小林大悟氏が「カイゼンに活かせ!BIによるシンプルデータ活用術」をテーマに、生産現場の改善にデータを活用するためのアプローチについて紹介した。

 製造業のIoT活用では、先進的な事例を参考に取り組んだものの、プロジェクトを中断してしまうケースがよく見られる。データ活用を意図していても、古い設備のログデータや、手書きの帳票、人に依存するノウハウなど、整理していないものが8割を占め、これらの対応に追われるためだ。こうした状況に対し小林氏は「シンプルなデータから取り扱いを開始し、カイゼン活動に生かしながら成果が出たところから発展させていくというアプローチが大切だ。改善のループを素早く回すという意識がIoTへの取り組みのカギになる」と語る。

 実際に、単純なセンサーでも出来高やサイクルタイム、稼働時間など、さまざまな指標値が取れ、こうしたシンプルなデータであっても、組み合わせることで改善につなげていくことが可能だ。これらの取り組みが軌道に乗ってくれば、改善の進捗に合わせてこれらをシステム化し広げていくという発想が生まれてくる。ウイングアーク1stではこれらの対応するツールを数多く用意していることが特徴だ。同社のBI(Business Intelligence)ツール「Dr.Sum」「MotionBoard」は、ノンプログラミングで、現場で自由にシステム改変を行うことができ、データの収集、集計、可視化、分析を柔軟に実現できる点を訴えた。

≫MONOist IoT Forumの過去の記事

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