パナソニックが不織布マスクを一般販売、閉鎖予定の岡山工場で国内生産:製造マネジメントニュース
パナソニックは、これまで社内向けを中心に生産してきた不織布マスクの一般向け販売を開始する。新型コロナウイルス感染症の影響の長期化と、それに伴う社会貢献活動の一環として一般販売を決めた。2020年1月12日10時から、パナソニック公式ショッピングWebサイト「Panasonic Store Plus」で販売を開始。税込み価格は50枚入り1箱で3278円。
パナソニックは2021年1月7日、これまで社内向けを中心に生産してきた不織布マスクの一般向け販売を開始すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響の長期化と、それに伴う社会貢献活動の一環として一般販売を決めた。同年1月12日10時から、パナソニック公式ショッピングWebサイト「Panasonic Store Plus」での販売を開始する。税込み価格は50枚入り1箱で3278円。パナソニックストア会員が同サイトにログインして購入する場合の送料は無料。
同社は、外部調達の削減と一般市場におけるマスク供給の安定化を図ることを目的に、コネクテッドソリューションズ(CNS)社傘下で業務用AV機器などを生産している岡山工場(岡山県岡山市)のクリーンルームにマスク生産設備を導入し、2020年5月から主に社内と関係先向けに「一般用マスク」と「一般医療用マスク」を生産していた。また、2020年7月からは「夏向けマスク」を生産しており、各種スポーツ関連団体に寄付することでスポーツ振興やアスリート支援も図っていた。
今回一般向けに販売を開始する不織布マスクは、岡山工場のクリーンルームで生産されているものだ。国内工場のクリーンルームを使って、国内材料で製造しており、ウイルス飛沫や微粒子を99%カットできるフィルターを採用。花粉やPM2.5対策用としても利用できるという。
なお、今回の不織布マスクを生産している岡山工場は、2021年9月末をめどに閉鎖する方針が決まっている。同工場は、もともとは1973年に据え置きVTRの製造工場として設立された歴史ある工場で、近年は放送局や映像制作市場向けの業務用AV機器の主力生産拠点としての役割を担っていた。カメラレコーダーやスタジオカメラ、インテグレーテッドカメラなどのカメラ商品群に加え、複雑な映像切り替えに対応するライブスイッチャーなどを生産している。
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