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DevOpsなPLMを目指すアラス、コンテナ活用によるクラウドネイティブ化も視野に製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)

PLMベンダーのアラス(Aras)が事業展開を加速させている。過去3年間平均の売上高成長率は44%と高い伸びを示しており、PLM「Aras Innovator」の契約社数は365社、オープンソース版の利用企業数も1000社を超えた。米国GEの再生エネルギー部門やドイツ自動車部品メーカーのグラマーなどの大手製造業による大規模導入も進んでいる。

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まずは「Azure」をターゲットにPaaS対応

 ローコード開発やCI/CDなど、ITシステム開発で広く利用されている技術の導入に積極的なアラスだが、PLMの採用検討で重視されつつあるクラウド化でも、さらに一歩踏み込んだ“クラウドネイティブ”に向けた取り組みを進めている。久次氏は「製造業のクラウドに対する障壁はかなり小さくなっており、クラウド化によってPLM市場が拡大していることは事実だ。当社は、Aras Innovatorがオープンソースベースであることを背景に、同じオープンソースソフトウェア技術が用いられているコンテナ技術の活用により、クラウドネイティブなPLMにしていきたい」と説明する。

 具体的には、Dockerや.Net Core、kubernetesなどを用いて、Aras InnovatorをPaaSのクラウドサービスとして利用できるようにする。まずは、マイクロソフトのクラウド「Azure」向けをターゲットに開発を進め、続けてAWSのクラウドへの対応も進めていく。

コンテナ技術を使ったクラウドネイティブPLMのイメージ
コンテナ技術を使ったクラウドネイティブPLMのイメージ(クリックで拡大) 出典:アラスジャパン

 久次氏は「IoT(モノのインターネット)の拡大により“つながる世界”が当たり前になりつつある。そして、さまざまなものがつながることで設計開発の複雑性は爆発的に拡大している。その一方で、データはサイロ化されたままだ。アラスは、この複雑性に対してシステム思考(Systems Thinking)で対応していく。そこで重要な役割を果たすのがデジタルツインとデジタルスレッドだが、Aras Innovatorで最新となるバージョン12.0のSP9では、システムのアーキテクチャ情報を統合管理する『システムズアーキテクチャ』、デジタルスレッドを通してシミュレーションプロセスとその結果を管理する『シミュレーションマネジメント』、製品のデジタルツイン情報を管理する『デジタルツインコア』などを採用した。これらの新機能により、広く全体を俯瞰するシステム思考の実現に貢献できるだろう」と述べている。

“つながる世界”のモノづくりに必要な情報基盤となるPLM
“つながる世界”のモノづくりに必要な情報基盤となるPLM。「Aras Innovator」は新機能として取り込んでいる(クリックで拡大) 出典:アラスジャパン

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