がん治療領域でのシェア獲得へ、放射線治療機器大手を買収:医療機器ニュース
Siemens Healthineersは、バリアン メディカル システムズの買収を発表した。買収価格は約164億ドル(約1兆7374億円)相当で合意し、契約を締結した。今後、先進的ながん治療を推進し、ヘルスケア領域での地位を強固にする。
Siemens Healthineersは2020年8月2日、バリアン メディカル システムズ(Varian)の買収を発表した。これまでのパートナーシップを基盤に、先進的ながん治療を推進し、ヘルスケア領域での地位を強固にする。
買収価格は約164億ドル(約1兆7374億円)相当で合意。この金額は、同年7月31日のVarian株終値に24%上乗せした水準となる。Varianの株主には、1株当たり177.50ドル(約1万8000円)が現金で支払われる。なお本取引は、Varian株主の承認、規制当局の認可などを経て、2021年上半期に完了する予定。2025年度には、年間3億ユーロ(約374億円)以上のEBIT(利息及び税金控除前利益)シナジーを目指す。
Varianは、放射線治療装置や関連ソフトウェアなどのソリューション開発、提供を手掛ける医療機器メーカー。Siemens HealthineersとVarianは、2012年からがん治療のための戦略的な「EnVision」パートナーシップを組んできた。
統合完了後も、Siemens Healthineers内の独立企業として、Varianの名称で事業を継続する。長期にわたるパートナーシップを基盤に、治療計画のためのイメージングから集中放射線治療、効率的なワークフロー、個別化された治療など、より良いがん治療ソリューションの開発を目指す。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 乳がん検査の精度向上のため、AIプラットフォームを提供開始
エヌ・ティ・ティ・データ、DataRobotは、ミルテルの乳がん検査「乳がんミアテスト」の精度向上のため、AIプラットフォーム「DataRobot」と「AIサクセスプログラム」の提供を開始する。 - 大腸がんの深達度を一般内視鏡画像のみでAI診断できる検出支援システム
モルフォは、千葉大学や千葉県がんセンターとの共同プロジェクトにおいて、大腸がんの深達度を一般の内視鏡画像のみでAI診断できる、高精度な検出支援システムを構築した。 - 血液1滴から13種類のがんを99%の精度で検出する技術を開発
東芝は、血液中のマイクロRNAを使った、簡便で高精度ながん検出技術を開発した。1滴の血液から、13種類のがんの患者と健常者を、99%の精度で2時間以内に網羅的に識別できる。 - AIを用いた胃がん内視鏡画像読影支援システムの開発を開始
AIメディカルサービスは、AIを用いた胃がん内視鏡画像読影支援システムの開発を始める。AIにより病変部位を自動判定し、遠隔診断に利用可能なクラウド型プラットフォームとしてシステムを開発する。 - 皮膚がん診断ソリューション開発がAMEDプロジェクトに採択
カシオ計算機と信州大学との共同研究「イメージングデータを用いた皮膚がん診断ソリューション開発」が、日本医療研究開発機構の「先進的医療機器・システム等開発プロジェクト」に採択された。 - がん手術の傷の炎症を抑える、内視鏡で噴霧可能な創傷被膜材を開発
物質・材料研究機構と鹿児島大学は、消化管がん治療後の傷に内視鏡で噴霧できる創傷被膜材を開発した。市販被膜材の約10倍の接着力を有し、組織の修復とともに体内で分解するため、手術後の狭窄(きょうさく)などを予防する医療材としての応用が期待される。