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大腸がんの深達度を一般内視鏡画像のみでAI診断できる検出支援システム医療機器ニュース

モルフォは、千葉大学や千葉県がんセンターとの共同プロジェクトにおいて、大腸がんの深達度を一般の内視鏡画像のみでAI診断できる、高精度な検出支援システムを構築した。

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 モルフォは2020年3月12日、千葉大学や千葉県がんセンターと共同で実施していた「内視鏡検査における大腸がんの深達度AI診断」プロジェクトにおいて、高精度な検出システムを構築したと発表した。

 大腸がんの検査では、がんが大腸の壁に入り込んだ深さ(深達度)を内視鏡で診断する場合、一般的には拡大内視鏡や画像強調内視鏡、色素内視鏡を併用する。しかし、それらの内視鏡は設置されている病院が限られているため、同プロジェクトでは、一般の内視鏡画像のみで大腸がんの深達度のAI(人工知能)診断が臨床に応用可能かを検証した。

 千葉大学附属病院と千葉県がんセンターで実施された下部消化管内視鏡検査のうち、腺腫、早期大腸がん、進行大腸がんを含む1036例から3440枚の病変画像を抽出。画像は全て一般内視鏡画像である白色光、非拡大、非色素散布とした。

 AIの学習モデルとして、Single Shot MultiBox Detector Mobile Netを用いたCAD systemを共同で構築。画像3440枚のうち2749枚に対して、回転や輝度、色相、拡大縮小など多方面からディープラーニングを実施した。

 ラーニング後、残りの691枚を検証に用いて病変を検出。病変の深達度を、内視鏡治療が可能なものと外科的治療が必要なものに分類した。

 その結果、今回構築したCAD systemのmAP(mean average precision)は、位置検出と深達度診断で0.916、位置検出のみでは0.996と良好な診断精度を示した。mAPは物体検出アルゴリズムなどの性能を表す評価指標で、1.000に近いほど良い評価といえる。

 今回の研究で、一般の内視鏡画像のみを用いて、大腸がんの深達度のAI診断が臨床に応用可能であることが示された。モルフォはパートナー企業と連携するなどして、今回の研究成果の早期事業化を目指す。

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