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「空飛ぶクルマ」向け炭素繊維複合材料をドイツメーカーへ供給:製造マネジメントニュース
東レは、Liliumが開発中の小型電動航空機「Lilium Jet」向けの炭素繊維複合材料の供給契約を同社と締結した。Lilium Jetの胴体や主翼、動翼などに炭素繊維複合材料を使用する。
東レは2020年7月14日、Liliumが開発している小型電動航空機「Lilium Jet(リリウム・ジェット)」向けの炭素繊維複合材料の供給契約を、同社と締結したと発表した。
Liliumは、UAM(Urban Air Mobility)を開発するドイツの企業。UAMは、都市部における渋滞、騒音、大気汚染などの課題を解決する新交通システムとして期待されている。現在、機体や運航システムの開発、法整備などが各国で進められており、UAMの商業運航開始が期待されている。
UAMの開発は現在、垂直離着陸が可能な小型の電動機タイプのものが主流だ。開発においては、機体の軽量化のために炭素繊維複合材料が重要な役割を果たす。東レはUAMメーカーとの協業で、機体の高性能化や省エネルギー化、低コスト化に取り組んでおり、今回のLiliumへの材料供給はその一環となる。
リリウム・ジェットは、300kmを60分以内に飛行する5人乗りの垂直離着陸型で、胴体や主翼、動翼などに炭素繊維複合材料を使用する。Liliumでは、2025年の商業運航を目指し、開発を進めている。
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