新型コロナによるニューノーマル対応、勤め先が「対応していない」が66.8%:キャリアニュース
ワークポートが「勤務先のニューノーマル対応と新型コロナ対策の評価」についての調査結果を発表した。現在の勤め先はニューノーマルに対応しているかという問いに、66.8%が「いいえ」と回答。コロナ対策への評価は良いと悪いが半数に割れた。
総合転職エージェントのワークポートは2020年7月29日、「勤務先のニューノーマル対応と新型コロナ対策の評価」についてのアンケート調査結果を発表した。同調査の対象は、同社を利用する転職希望者で20〜40代の男女。そのうち373人から有効回答を得た。
初めに、現在の勤め先(直近の勤め先)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染防止を踏まえた「ニューノーマル(新しい生活様式)」に対応していると思うかを尋ねた。その結果、「はい(対応していると思う)」が33.2%で、「いいえ」が66.8%だった。
「はい(ニューノーマルに対応している)」と回答した人に、どのような対応が実施されているかを尋ねたところ、「テレワークの実施」「マスクの着用」「消毒液による拭き掃除」「デスク間で距離を取る」など、一般的な感染対策を挙げた人が多かった。
勤め先の新型コロナ対策、評価の良し悪しは五分五分
次に、現在の勤め先(直近の勤め先)が取ったCOVID-19への対応や対策を、どのように評価するか尋ねた。その結果、「とても良いと思う」の11.5%と「やや良いと思う」39.7%を合わせて、良い評価は51.2%だった。「やや悪いと思う」の28.2%と「とても悪いと思う」20.6%の合計は48.8%となり、良い評価と悪い評価がほぼ半数に割れた。
「とても良いと思う」と回答した人は、その理由に「早期の段階からリモートワークの対応をしていた」「新しいことを積極的に取り入れた」「従業員の健康面を考え、早急にルールを変更した」などのコメントを寄せており、企業が職場環境や業務内容に合わせて積極的に対策を講じ、工夫し続けていることが分かった。
「やや良いと思う」と回答した人の理由には、「COVID-19対応自体は良いが社内対応が遅い」「従業員に対しては気をつけているが来客には対応しきれていない」「Web会議を推奨しているが通信断がよく発生する」などが挙がった。企業が主体となって対策を取っていても、従業員側では内容や継続に課題を感じているようだ。
「やや悪いと思う」と回答した人のコメントには「今後の見通しがないまま、たびたび方針が変わる」「テレワークを理由に仕事が適当になっている」「テレワークに必要な機材やデスクなどを社員が負担している」などがあり、企業が指示した対策が従業員に周知されていない、また対策によって発生した課題を解決できていない、といった様子がうかがえる。
「とても悪いと思う」と回答した人は、その理由として「経営陣に対策を講じる気持ちがない」「建前の対策が多く、感染リスクを軽減していない」「カットすべき事項が他にあるにも関わらず人材を切った」などを挙げた。
世界的規模でCOVID-19の脅威が広がる中、対策を講じない企業に対しては、社員が不満や不信感を抱いてしまう可能性がある。優秀な人材を確保するためにも、企業は有効な対策を取り、継続していくことが求められる。
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