在宅勤務者の8割が収束後も「制度継続希望」、働き方の意識調査報告書を発表:製造マネジメントニュース
日本能率協会は新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるビジネスパーソンの仕事に対する意識変化の調査報告書を公開した。今回初めて在宅勤務制度を経験した人の8割がコロナ後も制度継続を望む。
日本能率協会は2020年5月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によってビジネスパーソンの仕事や働き方に生じた変化についての調査結果を発表した。今回の感染拡大を機に在宅勤務を始めた人の約8割は、感染拡大収束後も在宅勤務制度の継続を望むといった傾向が見られた。以下では調査項目のうち主要なものを抜粋して紹介する。
新型コロナで会社の事業に「影響があった」は全体の9割超
調査は日本能率協会の各種サービスを利用しているビジネスパーソン(自由業、70歳以上は除く)を対象にインターネットを通じて行った。調査期間は2020年4月14〜24日で、回答数は2123件だった。
COVID-19の感染拡大による自社事業や業務への影響については、会社の事業に「影響があった」という回答が全体の全体の61.4%となった。
COVID-19の感染拡大が収束した後、自社のビジネスモデルや事業構造の変化が生じるかを尋ねると、全体の62.2%が「変化する」と回答した。また働き方についても「変化する」との回答が全体の61.4%となった。会社の事業に「影響があった」という回答が全体の91.3%(「大きく影響があった」と「影響があった」の合計、以下同)、自身の業務に「影響があった」は全体の83.2%となった。
在宅勤務の実施状況について尋ねると「COVID-19感染拡大以前から実施している」が22.3%、「COVID-19の感染拡大対策として初めて実施した」が44.6%となった。これらの数値について日本能率協会は「他の調査データよりも在宅勤務実施の割合が高い。回答者に従業員数5000人以上の企業在籍者が多いことだ要因だと考えられる」とコメントしている。また、COVID-19の収束後も在宅勤務制度がほしいか尋ねたところ、今回初めて在宅勤務を実施したと回答した人の78.1%が「強くそう思う」「そう思う」と回答した。
また回答者のうち部長、課長クラスの管理職においては、在宅勤務経験の有無にかかわらず、在宅勤務の課題として「社内のコミュニケーション」「部下のマネジメント」「部下に対するOJTや人材育成」「通信環境の整備」を挙げる比率が高かった。ただ、これらの課題は「在宅勤務による突発的な事象というよりも、日頃から留意すべきマネジメントの本質的な課題」(日本能率協会)であるとも考えられる。また、COVID-19の感染拡大対策として初めて在宅勤務を経験した回答者では「ペーパーレス化」「部下のマネジメント」「人材育成」「通信環境の整備」を課題として挙げる人が多かった。
一方で在宅勤務の実施経験がある人に比べると、実施経験がない人では「業務管理」「労務管理」「情報セキュリティ」が課題になると捉えている割合が高かった。これについて日本能率協会は「実際に在宅勤務を実施してみると、案外、業務管理などは懸念点にはならないということなのかもしれない」と指摘している。
営業活動への影響について尋ねると、全体の52.5%が「展示会、イベントの中止によって新規顧客獲得機会が喪失した」と回答しており、また全体の45.9%が「ダイレクトセールスの減少」が生じたと回答した。一方で今後ビジネスで活用していきたいサービスとしては「オンラインセミナー」が59.2%でトップとなった。
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