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日立がABBのパワーグリッド事業買収を完了、グローバル10兆円市場に挑む製造マネジメントニュース

日立製作所は、ABBから分社されたパワーグリッド事業会社への80.1%の出資手続を完了した。買収金額は68億5000万米ドル(約7400億円)。新会社は「Hitachi ABB Power Grids Ltd(日立ABBパワーグリッド社)」として発足し、出資手続完了と同時に営業を開始している。

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 日立製作所は2020年7月1日、2018年12月に行ったスイスABBのパワーグリッド事業の買収契約に基づき、ABBから分社されたパワーグリッド事業会社への80.1%の出資手続を完了したと発表した。買収金額は68億5000万米ドル(約7400億円)。新会社は「Hitachi ABB Power Grids Ltd(以下、日立ABBパワーグリッド社)」として発足し、出資手続完了と同時に営業を開始している。

 新会社の日立ABBパワーグリッド社は、引き続きスイスのチューリッヒに本社を置く。連結の製造拠点数は約100カ所、営業拠点数は約200カ所、従業員数は約3万6000人。直近で開示されているABBのパワーグリッド事業の業績は、2017年度(2017年12月期)で売上高100億2800万米ドル(約1兆800億円)、営業利益8億7500万米ドル(約940億円)となっている(2018年度以降は非開示)。持ち株比率は、日立による出資完了時点で日立80.1%、ABB19.9%。なお、日立は2023年以降に、残りの19.9%の株式を取得して、日立ABBパワーグリッド社を完全子会社化する予定である。

 日立ABBパワーグリッドのCEOは、2016年からABBでパワーグリッド事業を率いてきたクラウディオ・ファキン氏が務める。会長は、日立でエネルギーセクターを担当する執行役副社長の西野壽一氏が兼務する。

 日立と日立ABBパワーグリッド社は、グローバルトップレベルのパワーグリッド事業と「Lumada」をはじめとする日立のデジタル技術を組み合わせることで革新的なエネルギーソリューションをグローバルに提供していく。併せて、エネルギーだけでなくモビリティ、ライフ、インダストリー、ITの各セクターにも事業を拡大していく方針。

 日立の調査によれば、2020年のパワーグリッド市場規模は約1000億米ドル(約10兆7500億円)であり、その中でも予兆保守や分散電源、資産最適化などのデジタル化に対する市場が高い成長が見込まれているという。

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