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コングロマリットを価値に、日立が描く「つながる産業」の先にあるもの製造マネジメント インタビュー(1/3 ページ)

日立製作所はIoTプラットフォーム「Lumada」を中核としたデジタルソリューション事業の拡大を推進。その1つの中核となるのが、産業・流通ビジネスユニットである。日立製作所 執行役常務で産業・流通ビジネスユニットCEOの阿部淳氏に取り組みについて聞いた。

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 総合電機企業として、多彩な事業、多彩なグループ企業を抱える日立製作所。一時は「コングロマリットディスカウント」などが叫ばれ、事業の整理統合などを求める動きなどが強まったが「IoT(モノのインターネット)時代に入り、今はコングロマリットが逆に強みになってきている」と語るのが、日立製作所 執行役常務で産業・流通ビジネスユニットCEOの阿部淳氏である。

 産業・流通ビジネスユニットが対象とする顧客業界は、製造業や運輸業、小売業などで、IoTへの投資が最も活発だとみられている業界だ。そのため、日立製作所が成長のカギと置く「デジタルソリューション事業」の中核的な役割を担うことになる。2018年4月に産業・流通ビジネスユニットCEOとなった阿部氏にデジタルソリューション事業および、産業・流通ビジネスユニットの取り組みについて話を聞いた。

ソリューション提案ではフロントが重要

MONOist 新たに産業・流通ビジネスユニットCEOに就任されましたが、あらためて役割について教えてください。

阿部氏 製造業などを中心とする産業領域、小売業などを中心とする物流領域などの企業に対して、日立製作所の「OT(制御技術)×IT(情報技術)×プロダクト」を組み合わせ、デジタルソリューションとして提供していくのが大きな役割の1つだ。顧客企業と直接コンタクトし、課題感を共有し、共創を通じて、一緒に新たな価値を創出していくという取り組みを進めていくことになる。

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日立製作所 執行役常務で産業・流通ビジネスユニットCEOの阿部淳氏

 日立製作所の持つこれらのOT、IT、プロダクツの技術力というのは重要ではあるが、現在の世界の状況を見ていると、これらが個々で解決できる問題というのは小さくなっている。顧客起点の課題解決を、さまざまな要素を組み合わせて、実現していくという姿が重要だ。

 その意味では顧客と直接接するフロント側の役割の重要性は高まっている。顧客の求める課題解決を、日立製作所内外のリソースを組み合わせて描かなければならないからだ。これまでの一方通行のコミュニケーションとは全く異なる能力が必要になるために、社内の人材にも「自分たちが新たなビジネスや価値を切り開く」というバイタリティーを求めているところだ。

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産業・流通ビジネスユニットの日立グループ内での位置付け(クリックで拡大)出典:日立製作所
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