レーザー距離計で撮影対象をロックオン! DJIが新型産業用ドローン発売:ドローン(2/2 ページ)
DJIは産業用ドローンプラットフォーム「Matrice 300 RTK」やハイブリッドカメラ「Zenmuse H20T」などのオンライン説明会を開催した。対象物の追跡や記録撮影を効率化するための仕組みが施されている。
ワンクリックで操縦者を交代できる「デュアル制御機能」
スマート点検機能は鉄塔や橋梁といった建造物の定期的な点検作業を自動化する機能である。点検時の機体の動きやジンバルの動き、写真撮影、ズームレベルなどの動作を全て記録、収集し、その後の自動点検化に役立つミッションファイルを作成する。またM300 RTKに搭載されたAI(人工知能)が対象物を自動的に認識し、前回撮影した時と同じ画角で撮影できるようにジンバルを調整する。同じ画角で撮影することで、例えば建造物の経年変化が検証しやすくなるなどのメリットがある。またDJIの従来機にも採用されていた「Waypoint 2.0」も搭載し、最大6万5535個の飛行経路(ウェイポイント)を登録し、それぞれにH20やH20Tなどの搭載物に応じたアクションを個別に設定できるようにした。
デュアル制御機能は機体やジンバルの制御を行う操縦者をワンクリックで切り替えられる機能だ。例えば山頂にある鉄塔を点検するために、山の麓と山頂に操縦者A、Bがそれぞれ待機している状況を想定する。Aは山の麓からM300 RTKを飛ばすことでその場を動かず点検を行える。しかし、実際には山頂で待機しているBの方が鉄塔周囲の状況を把握しやすいため、点検作業をスムーズに進められる可能性がある。こうした場合にデュアル制御機能を使うことで、山頂までの飛行はAが、実際の点検はBが行うといった具合に役割分担が行える。この他にも、ドローン操縦の研修時に教官が生徒に代わってドローンを制御するといった用途も考えられる。
パネリストとして登壇したDJI JAPANの専属ドローンパイロットを務める中村佳晴氏は「M300 RTKで一度点検を行えば、次回点検時からは操縦者の技量にかかわらず同じ画角、同じ位置、同じ距離で撮影可能になる。DJIの『誰にでも使いやすいドローンを作る』という精神が良く出た機体に仕上がっていると思う」と評価した。
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