ドローンでプラントの設備を点検、NTTドコモと日揮が協業で:FAニュース
NTTドコモと日揮は2019年8月8日、石油精製や化学などの大規模プラントに対する設備点検や建設管理を対象とし、IoT(モノのインターネット)やドローンを活用した実証と事業創出に向けて協業の検討を行うと発表した。
NTTドコモと日揮は2019年8月8日、石油精製や化学などの大規模プラントに対する設備点検や建設管理を対象とし、IoT(モノのインターネット)やドローン(無人航空機)を活用した実証と事業創出に向けて協業の検討を行うと発表した。
国内の石油精製や化学プラントの多くが稼働開始から30年以上経過し、保守点検などへのコスト増や点検員の確保などが大きな課題となっている。また、大規模なプラント建設においては、工事の品質や進捗を管理する上で現場監督者と本部との情報共有が重要になるが、海外の大規模建設プロジェクトなどでは工事進捗情報の精査や管理が難しい場合も多く、効率化とデジタル化が求められていた。
今回のNTTドコモと日揮の協業では主に「ドローンなどによるプラントの保守点検」と「プラントの工事進捗管理を自動化する事業の技術開発」の2つに取り組む。
ドローンによるプラント設備点検ソリューションを開始
「ドローンなどによるプラントの保守点検」は、ドローンを用いてプラント設備を撮影し、点検者がクラウド上で保守点検のレポートを作成し、点検情報を管理するというものだ。従来のプラント保守点検は、数年から十数年に1度の頻度で膨大なコストと時間をかけて実施してきたが、ドローン点検により、高頻度かつ低コストで実施できるようになる。また、ドローンによる点検では高所作業が不要になるため、点検者の安全確保も可能となる。
NTTドコモが開発したドローンプラットフォーム「docomo sky」と日揮グループが提供するプラント向け統合型保全サービス「INTEGNANCE」などの設備管理システム、プラントの保守点検についてのノウハウなどを活用する。これらを生かした技術開発と現場実証を国内外で実施し、2019年度内のサービス提供開始を目指す。
ドローンによる撮影で工事の進捗を管理
「プラントの工事進捗管理を自動化する事業の技術開発」は、施工中の建設現場をドローンで撮影し、構造物を3D上で再現する。この構造物の3D画像とプラントの3D設計図をクラウド上で比較し、その差分を確認することで工事の進捗状況を管理するというものだ。従来のプラント工事の進捗管理は目視や人手による報告書で実施していたが、ドローンなどを活用して自動化することで効率的な管理が可能となる。技術開発と実証を2019年度内に行うことを目指すという。
NTTドコモと日揮では、NTTドコモが持つドローンなどのIoT関連機器やAI、5Gなどの技術やノウハウと、日揮が持つプラント関連のデジタル技術活用ノウハウを組み合わせることで、さらに新たなプラントIoT事業の創出に取り組んでいくとしている。
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