この記事は、2020年4月16日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
新型コロナがあぶりだす日本のモノづくりの弱み
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が世界経済に大きな暗い影を落としています。2020年4月14日には国際通貨基金(IMF)が「この100年で最も深刻なリセッション(景気後退)になる」との見通しを示しました。今この世界に生きている人類が誰も経験したことがない状況を今迎えていることになります。
MONOist、EE Times Japan、EDN Japanの製造業メディア3媒体では、こうした動きに対し、特集サイトを展開し、日々変化するこれらの情報を発信しています。われわれは直接人々の生活にリーチするメディアではありませんが、それでも2つの役割を果たせるのではないかと考えているからです。
1つ目は、今の感染拡大を抑え命を救うことにつながる情報を発信するということです。マスクや医療関連機器など、こういう状況だからこそ必要で製造を続けなければならないモノがあります。そうしたモノづくりや刻々と変化するサプライチェーンの情報を発信し続けることで「命を守る活動」を支えたいと考えています。
もう1つが「新型コロナ後」の経済再生に貢献する情報発信を粘り強く続けるということです。以下のコラム(※)でも書きましたが、人々が安心できる生活を続けるためには経済の復活は欠かせません。まずは感染を収束させ、その後の経済が回復してようやく「コロナ危機を脱した」ということになるのです。その時に必要になる「新型コロナ後」の新たなモノづくりの在り方や必要な技術情報の発信を止めないということがわれわれにできることだと考えています。
(※)関連記事:新型コロナでFA業界にできること
「コロナ後」の日本のモノづくり力
さて、その「コロナ後」を見据えた中で、少し気になることがありました。マスク供給でソフトバンクと協力する中国の電気自動車メーカー比亜迪(BYD)の話です(※)。
(※)関連記事:新型コロナ対策でマスクを月3億枚調達、ソフトバンクグループがBYDとの協力で
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