アズビル新社長に山本清博氏が就任、直属のITソリューション推進部も新設:製造マネジメントニュース
アズビルは、執行役員常務の山本清博氏が代表取締役社長兼執行役員社長(以下、社長)に就任する人事を発表。2020年4月1日付で執行役員副社長に就任した後、同年6月24日開催予定の第98回定時株主総会ならびに取締役会の決議を経て、現社長の曽禰寛純氏と交代する。なお、曽禰氏は代表取締役会長兼執行役員会長に昇任する。
アズビルは2020年2月28日、執行役員常務の山本清博氏が代表取締役社長兼執行役員社長(以下、社長)に就任する人事を発表した。同年4月1日付で執行役員副社長に就任した後、6月24日開催予定の第98回定時株主総会ならびに取締役会の決議を経て、現社長の曽禰寛純氏と交代する。なお、曽禰氏は代表取締役会長兼執行役員会長に昇任する。
山本氏は現在54歳。京都大学大学院工学研究科修士課程卒業後の1989年に入社以降、ビルディングオートメーション事業における高度な技術による新たなソリューションの創出や展開、エンジニアリング、営業、事業企画に従事し、さらにグローバルにおける事業責任者として実績を重ねてきた。また、エネルギーマネジメントを推進するジョイントベンチャーの設立から経営までに携わり、現在のアズビルにおける重要な事業領域の開拓も担当。2014〜2017年に経営企画部長として現中期経営計画(2017〜2019年度)を策定し、2018年4月からは執行役員常務として経営陣に加わっている。現在は、ビルディングオートメーション部門の事業企画や製品開発の他、全社マーケティングの責任者としてアズビルグループ全体のマーケティング戦略の立案、遂行を担ってきた。
アズビルは曽禰氏が社長に就任した2012年に、「技術・製品を基盤にソリューション展開で『顧客・社会の長期パートナー』へ」「地域の拡大と質的な転換で『グローバル展開』」「体質強化を継続的に実施できる『学習する企業体』を目指す」という3つの基本方針を定め、事業面、グローバル展開、人材育成などの基盤づくりを進めてきた。直近の業績は、現中期経営計画策定時に目標とした当初の営業利益目標を上回る状況で進捗しており、収益体質の強化・定着が着実に進んだという。
ただし、同社を取り巻く環境も大きく変化しており、例えばIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などテクノロジーの進化による事業環境の変化、少子高齢化やグローバル化の進展に対応した働き方改革・価値観の変化、気候変動対応をはじめとする新たな課題への対応などが求められている。そこで、経営トップを交代し、新たな経営体制の下で、グローバル展開や「新オートメーション領域開拓」「環境・エネルギー分野拡大」「ライフサイクル型事業強化」という3つの事業領域における戦略的取組みの加速を図ることとした。
新体制への移行に合わせて2020年4月1日付で、「新オートメーション領域開拓」による事業拡大に向けた社長直属の組織として「ITソリューション推進部」を新設する。同部ではIoT、AIなどの最新技術応用、商品のサービス化、クラウド化などの商品開発を加速させ、IT分野におけるより一層の競争力強化を目指す。また、アズビルグループ内におけるクラウド運用体制を統一的に強化することを目的に「クラウド運用センター」も新設する。
工場やプラント向けに事業を展開するアドバンスオートメーションカンパニー(AAC)でも機構改革を行う。アズビルが掲げる“人を中心としたオートメーション”をグループ理念をより強く展開できる営業力と営業サポート力の強化に向けて、「AAC営業推進本部」内に営業推進部を新設する他、営業3、4、5部を統合して「営業1部」に、営業1、2部を統合して「営業2部」にする。
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