ブリヂストンがトップ交代、新CEOは米国経験豊富な石橋氏:製造マネジメントニュース
ブリヂストンは2019年12月13日、トップとなる代表執行役 CEO(最高経営責任者)の交代人事を発表した。現代表執行役副会長の石橋秀一氏が内定した。
ブリヂストンは2019年12月13日、トップとなる代表執行役 CEO(最高経営責任者)の交代人事を発表した。代表執行役副会長の石橋秀一氏が同CEOに内定した。2020年3月下旬に開催予定の定時株主総会後の取締役会における承認を経て、正式に決定する。
2012年から現職の津谷正明氏は代表権のない会長に就く予定だ。また、同社は2016年3月に指名委員会等設置会社へ移行しており、今回が移行後初めてのトップ交代となる。代表執行役 CEOに石橋氏を内定した理由について、津谷氏は「グローバルのリーダーとして一番ふさわしいと思っている。アメリカ(駐在)の経験が非常に長いことや、こう見えて凄い苦労人」と述べている。
津谷氏と石橋氏は、1988年のブリヂストンによる米ファイアストン買収劇とその後の北米タイヤ事業立て直しの苦戦について「若い時に直接関わって、当時の経営者がどのような思いでやってきたのか直接見てきた」(津谷氏)という。石橋氏は1989〜2003年まで米国子会社に赴任しており、豊かな国際経験を持つ。
また、石橋氏は「米国と日本中心に現場で全てのタイヤ・多角化事業を担当」(ブリヂストン)した経験から、津谷氏は「当社でいろんな部門を担当した人はそういないが、課題があるところに逃げずに正面から向かい合ってきた強さ」があると評価した。
石橋氏は「津谷CEOの体制で進めてきた経営改革を継続、強化する。また、東京2020を契機に企業価値を一段と上げていく」と抱負を述べ、「ダントツのグローバルタイヤ会社からダントツのグローバルソリューション会社になる。ダントツの商品とサービス、そして強い現場といったわれわれが得意なリアルな世界にデジタルを組み合わせる。顧客やパートナーと一緒に、共に価値を作っていくことにチャレンジする」と語った。
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