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CASE時代のタイヤに必要なモノづくりとは、ブリヂストンが取り組むスマート工場製造業×IoT キーマンインタビュー(1/4 ページ)

CASEなどで変化する自動車の姿に合わせ、タイヤにも変革の波が訪れている。新たな時代にふさわしい工場の在り方はどういうものになるのか。タイヤ大手のブリヂストンが取り組むスマートファクトリーへの取り組みについて、ブリヂストン 執行役員 タイヤ生産システム開発担当 國武輝男氏に話を聞いた。

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 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化)と呼ばれる大きな変化が自動車業界で巻き起こる中、それを支えるタイヤにも新たな役割が求められるようになっている。こうした中で「新たなタイヤの役割」を実現するためにモノづくりはどのように変化させる必要があるのだろうか。

 基盤となる工場のスマート化に向けて、ブリヂストンでは積極的な取り組みを進めている。「工場でのデータ活用は長年やってきたことだ」と語るブリヂストン 執行役員 タイヤ生産システム開発担当 國武輝男氏に、理想とするスマートファクトリーについて、話を聞いた。

本連載の趣旨

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ITmedia産業5メディア総力特集「IoTがもたらす製造業の革新」のメイン企画として本連載「製造業×IoT キーマンインタビュー」を実施しています。キーマンたちがどのようにIoTを捉え、どのような取り組みを進めているかを示すことで、共通項や違いを示し、製造業への指針をあぶり出します。
⇒連載のバックナンバーはこちらから


CASEでタイヤはどのように変わるのか

MONOist CASEなど自動車を取り巻く環境が大きく変化する中で、それを支えるタイヤにはどのような変化が求められていると考えますか。

國武氏 ブリヂストンの事業の中でタイヤ事業は80%を超える比率となっており、その中でも乗用車用タイヤは中心となっている。乗用車用タイヤは、乗用車のトレンドや技術の変遷に合わせてさまざまな変化を遂げてきており、作り方についても変化が求められてきた歴史がある。

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ブリヂストン 執行役員 タイヤ生産システム開発担当 國武輝男氏

 例えば、1960年代の高度成長期はマイカーブームが生まれ、自動車には耐久性や低燃費が求められるようになった。その流れで、タイヤはバイアス構造からラジアル構造への移行が進み、耐久性を実現するモノづくりが求められるようになった。その後、スポーツカーブームなどでは高い運動性能を求める動きから、タイヤは大径化や扁平化が進んだ。一方で需要が多様化するために多品種への対応が広がった。

 その後は、ファミリーカーブームやエコカーブームなどで、静音性や低燃費性能、軽量化などが求められるようになり、さらにランフラットタイヤなどで新たな機能を追加するような動きも生まれた。これらに合わせて、真円度の追求や新構造の研究や新たなモノづくりの開発なども進んだ。これらのように自動車の変化に合わせてタイヤに求められる機能や性能も変わり、それを実現するモノづくりについても変化してきた。

 CASEの時代になっても、同様にタイヤの役割は変化する。その変化に合わせてモノづくりも変化させていく必要がある。例えば、EV(電気自動車)化が進むと、バッテリーの重さがあるため他の部品には軽量化が求められることになる。タイヤについても軽量化が求められる一方で付加価値化も必要となり、相反する特性を実現しなければならないようになる。

 また、自動運転化が進めば、運転手がいないような事態も想定されるため、タイヤにはパンクができる限りないようにすることが求められる。またパンクしたとしたらすぐに知らせるような仕組みなども求められる。さらに、シェアード化が進めば、現在のように自動車を保有している状況よりも稼働率が大きく上がるといわれている。そうなると耐摩耗性など、耐久性が従来以上に求められるようになる。

 こうした変化に合わせてモノづくりも変化させていかなければならない。スマートファクトリー化への取り組みもこうした需要の変化に合わせたものである。

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タイヤ生産技術の変遷(クリックで拡大)出典:ブリヂストン

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