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マツダでトップ交代、2013年からトヨタとの協業実現に尽力した新社長製造マネジメントニュース

マツダは代表取締役と役員の異動を発表した。2018年6月26日に開催予定の定時株主総会と取締役会を経て正式に決定する。

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マツダの新社長に就任する丸本明氏(写真左)と会長に就く小飼雅道氏

 マツダは2018年5月11日、東京都内で会見を開き、代表取締役と役員の異動を発表した。同年6月26日に開催予定の定時株主総会と取締役会を経て正式に決定する。

 新社長には、代表取締役副社長執行役員で米州事業・管理領域統括の丸本明氏が就任する。代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏は代表権のある会長に就く。丸本氏は小飼氏とともに、協業に向けて2013年秋からトヨタ自動車との関係づくりに取り組んだ。丸本氏は「提携の今後も任せられる人材」(小飼氏)だという。なお、代表取締役会長の金井誠太氏は退任する。

 小飼氏は「これまでの構造改革の取り組みを基盤とし、次世代商品の量産やトヨタ自動車との協業を確実に実行して将来の成長基盤を固めていく中で、新社長としてリードしていってもらいたい」と述べ、丸本氏にバトンを渡す。

 新社長の人事を打診したのは2018年3月の中旬だった。小飼氏は丸本氏を選んだ理由について「開発畑の出身だからという人選ではない。主査や品質管理、海外事業、経営企画など幅広い部門を経験し、それぞれの領域の強みや課題を熟知している。次世代のSKYACTIVを成功させる上で課題を理解しながら運営できる人材だ」と説明した。

稼ぐ力の改善が最重要課題


200万台体制に向けた準備と、2030年までの技術開発ビジョンを新社長として遂行していく丸本氏

 丸本氏は当面の最重要課題について、稼ぐ力の低下を解決することを挙げた。「2017年度の決算や販売台数、収益を見た時に、米国の不調をそれ以外の地域で補っている。米国市場はマツダの収益構造に関わる最重点市場だ」(丸本氏)。

 マツダは2021年度以降の本格的な収益成長に向けて、今後3年間で足場を固めていく方針だ。生産、販売台数は年5万台増のペースで拡大していく。米国の販売ネットワーク改革や第2世代のSKYACTIV製品の投入、トヨタ自動車と折半出資で設ける米国の新工場の稼働により、年間200万台の生産、販売体制を整える。

 2030年までの技術開発ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」では、地域ごとに適材適所なマルチソリューションとなる商品構成に向けてさまざまなパワートレインをそろえる。「独自のマイルドハイブリッドシステムなどを出しながら、トヨタ自動車やデンソーと電気自動車(EV)をつくっていく。モデルベース開発は大きな助けになるだろう」(丸本氏)。

 コネクティビティや自動運転技術、シェアリングなど新分野への対応については「マツダの強みを評価しながら、単独でできるものもあるかもしれないが、できないところは協業やサプライヤーとの協力で実現していく」と丸本氏は説明した。

 丸本氏は1957年8月生まれの60歳。1980年4月にマツダ(当時は東洋工業)に入社した。2006年に常務執行役員に就任。2013年から代表取締役副社長執行役員を務める。自らの性格について「厳しく短気な性格だと思っている。社長に就任してからは、自分の意見を言うことも当然ながら、聞くこととのバランスをとっていく」と説明する。

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