調整作業工数を75%削減する近接スイッチ、アズビルが「従来の概念を覆す」:IIFES2019
アズビルは、「IIFES2019」において、新開発の2出力近接スイッチ「アジャスタブル近接スイッチ H3C」を参考展示した。マシニングセンターなどの工具交換時におけるクランプ位置検出の作業工数を75%削減できるという。
アズビルは、「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、新開発の2出力近接スイッチ「アジャスタブル近接スイッチ H3C(以下、H3C)」を参考展示した。マシニングセンターなどの工具交換時におけるクランプ位置検出の作業工数を75%削減できるという。2020年2月に検出距離が3mmのM12を発売し、その後順次ラインアップを拡充する方針だ。
一般的に近接スイッチは、閾値内に近接する磁性体の有無をオン/オフで検知するセンサーとして用いられている。クランプ位置の検出では、アンクランプ、ミスクランプ、クランプ、空クランプという4位置を検出する必要があるため、2個の近接スイッチを使って、そのオン/オフの組み合わせを基に4位置の検出を判断する。
しかし、複数の近接スイッチの設置位置調整には時間がかかる上に、作業者によって調整作業の時間や品質にばらつきが生まれる。さらに、検出余裕度が分からないため、現場での再調整が求められることがある。
新たに開発したH3Cは「近接スイッチの概念を覆す」(アズビルの説明員)という、2出力を備える近接スイッチである。1個のデバイスが2つの出力を備えることで、複数の近接スイッチを使わなくてもクランプの4位置を検出できるようになった。また、オートチューニングによって2つの出力の最適な閾値を自動で設定できるので、設置位置の調整に時間がかからない。つまり、2個のデバイスを使って4位置の検出ができるように調整する作業が、1個のデバイスを設置してオートチューニングするだけで済むので、75%の作業工数削減になるわけだ。
さらに、PCローダで検出余裕度をモニタリングできるので、現場での再調整の手間もかからない。
なお、クランプ位置調整の他にも「ターンテーブル位置など、さまざまな調整用途での活用が期待できる」(同説明員)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 工作機械の工具の寿命や破損を検知、金属加工企業の新たな挑戦
山本金属製作所は「スマート工場EXPO 2018」において、工作機械のホルダーにセンシング機能と通信機能を加えた「MULTIINTELLIGENCE」を出展。加工現象をリアルタイムに計測し、工具の寿命や破損を検知するソリューションを披露した。 - 工具収納本数を40本に拡張したコンパクトマシニングセンタ
ブラザー工業は、コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO」の新モデル「R650X2 40本ツール仕様」を発表した。工具収納本数をはじめ、最大工具質量や工具長が大幅に増加したことで、工具の選択範囲が広がり、加工効率が向上する。 - アズビルの柔らかいモノをつかめるロボット、事業化に向け実証実験へ
アズビルは、「第3回ロボデックス」において、独自開発のトルクセンサーにより柔らかいものを直接教示でつかめる次世代スマートロボットを展示した。 - オンライン異常予兆検知システムのバッチプロセス向け機能を強化
アズビルは、オンライン異常予兆検知システム「BiG EYES」のバッチプロセス向け機能強化版「R200」を発売した。生産をロット単位で管理するバッチプロセスにおいて、制約なく対応できるようになる。 - インダストリー4.0の推奨規格「OPC UA」、パブサブモデルでスマート工場に対応
日本OPC協議会は、OPCの動向を国内で紹介する「OPC Day 2016 in Japan」を2016年12月に開催。2017年にリリース予定の「OPC UA」のPublish/Subscribe通信モデルの概要やスマート工場内での意味、今後のロードマップなどについて紹介した。 - 工業会主導のスマートファクトリー実証、メーカー間連携を訴求
日本電機工業会、日本電気制御機器工業会、日本電気計測工業会は主催した「SCF2017/計測展2017 TOKYO」において、3団体共同のスマートファクトリーモデルのデモを披露した。