線路をつなぐだけで自走する搬送システム、小回りの利く柔軟さが強み:ロボデックス
伊藤忠マシンテクノスは「第4回ロボデックス」(2020年2月12〜14日、東京ビッグサイト)において、同社が取り扱うドイツのmontratecのモノレール式搬送システム「montrac」を紹介した。
伊藤忠マシンテクノスは「第4回ロボデックス」(2020年2月12〜14日、東京ビッグサイト)において、同社が取り扱うドイツのmontratecのモノレール式搬送システム「montrac」を紹介した。
線路をつなぐだけで簡単に搬送システムを構築可能
「montrac」は、直線や曲線などのモジュール式のレールコンポーネントをつなぎ合わせるだけで簡単に構築可能なモノレール式の搬送システムである。レールの内側に電流を流しその電力により搬送シャトルが自走するという仕組みとなっている。搬送シャトルの走行速度は最大で分速55mで、可搬質量は最大50kgだという。「ほとんど電車と同じ仕組みで、レールを組み立てるだけで簡単に自走式シャトルで搬送できるようになる。特に配線やPLCによる制御などは必要ない」(説明員)。
制御モジュールなどとの組み合わせにより、自動的にポイント切り替えなどを行うことも可能で、搬送するワークに合わせて、通るコースを変えられる。「フレキシブルで簡単に構築でき、さらに小回りが利くところが強みだ。コンベヤーに比べて大幅に省スペース化が実現できる。大量に同じようなものを運ぶよりも、量のそれほど多くないものをそれぞれに合わせて送るという場合に力を発揮する」(説明員)としている。
逆に苦手な領域については「基本的には防水対応ではないので、水や油を使うような環境では利用が難しい」(説明員)という。既に欧米では2500社での導入が進んでいるとしており、日本でも自動車メーカーでの採用があるとしている。今後は「より幅広い環境での導入を目指す」(説明員)としている。
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