2020年代の大型トラックのコックピットとは?:東京モーターショー2019
UDトラックスは「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、2020年代の大型トラックの姿を示すコンセプトカー「Quon Concept 202X」を披露した。
UDトラックスは「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、2020年代の大型トラックの姿を示すコンセプトカー「Quon Concept 202X」を披露した。近く実用化可能な技術を盛り込んでいる。
トラックドライバーを魅力的な職業にし、物流をよりスマートにするという思いを込めたコンセプトカーだ。大型トラックが人々の暮らしの中心になり、人と人、人とインフラ、地方と都会をつなぐ存在になっていくことを目指す。
Quon Concept 202Xはハイブリッド車だ。発進から時速30kmまでは駆動用モーターのみで走行する。ドライバーは1人1台タブレット端末を携行しており、車両と接続すると自分に合った設定のコックピットとなる。トラックのドライバーは必ず同じ車両に乗るとは限らないため、パーソナライズを重視している。
運行開始前には、オペレーターやAI(人工知能)と運行ルートを相談。隊列走行のスケジュールなどを確認、設定できる。隊列走行の先頭車両を運転する場合は、後続車両の車間距離や車両の状態を分かりやすくコックピットで表示する。車線変更をする場合には、長い隊列が安全に追従できるよう、隣接する車線を走る車両の位置を注意喚起して把握しやすくする。また、カメラとディスプレイを組み合わせた電子ミラーを採用。死角なく車両の周囲を確認できるようにしている。
隊列走行の2番目以降の後続車両に乗車している場合は、運転や周辺監視から離れてビデオ通話で家族の顔を見ながら会話するなどリラックスして過ごせるようにする。コックピットは音声操作に対応している。
フロントグリル上部にはメッセージを表示可能で、歩行者や他の車両とコミュニケーションをとることができる。
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